異例の60試合制 ポストシーズン進出には何勝が必要?

メジャーリーグの2020年シーズンは異例の60試合制で開催される。たとえば、通常のシーズン100勝を60試合制に換算すると37勝に相当するが、60試合制という短期のシーズンでは、例年以上に極端な結果が生まれる可能性もある。メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは「今年ポストシーズンに進出するためには何勝が必要なのか」を分析している。

サイモンによると、ワイルドカードが各リーグ2枠となった2012年以降の8年間で延べ80球団がポストシーズンに進出しているが、その中央値は93.5勝。94勝以上でポストシーズン進出確定となり、ポストシーズン進出のためには最低でも85勝が必要だという。

◆過去8年間のポストシーズン進出確率
94勝以上:100%(40/40)
91~93勝:90.5%(19/21)
87~90勝:76%(19/25)
85~86勝:12.5%(2/16)
84勝以下:0%(0/138)

90勝以上でポストシーズン進出を逃したのは、2019年インディアンス(93勝)、2018年レイズ(90勝)、2013年レンジャーズ(91勝=レイズとのタイブレーカーで敗退)、2012年レイズ(90勝)の4チーム。一方、87勝未満でポストシーズンに進出したのは、2017年ツインズ(85勝)と2015年アストロズ(86勝)の2チームだけである(ともにワイルドカード)。

ただし、これはあくまでも162試合制での結果であり、60試合制の短期シーズンでは、勢いに乗って勝利を重ねる予想外のチームの出現などにより、ポストシーズン進出ラインが例年より高くなることも十分に考えられる。

そうしたことも踏まえ、サイモンは成績予想システム「ZiPS」の開発者であるダン・シンボースキーに2020年シーズンのポストシーズン進出ラインの予想を依頼。その結果が以下の通りである。

◆2020年のポストシーズン進出確率
10%:32勝28敗・勝率.533(86勝76敗に相当)
30%:34勝26敗・勝率.567(92勝70敗)
50%:35勝25敗・勝率.583(95勝67敗)
70%:36勝24敗・勝率.600(97勝65敗)
90%:38勝22敗・勝率.633(103勝59敗)

95勝ペースで確率50%と考えると、ポストシーズン進出ラインがかなり高く設定されているような印象を受けるが、何が起こるかわからない60試合制のシーズンだからこそ、安全圏へ行くためには例年以上の勝率が必要ということなのだろう。32勝28敗、すなわち「貯金4」でもポストシーズン進出の可能性があるということは、シーズン終盤まで多数のチームがポストシーズン進出の可能性を残す白熱したシーズンとなるかもしれない。

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