長崎とハワイの高校生 オンラインで平和交流へ 歴史学び、懸け橋に 19日から

オンライン学習交流会の目的を話す安野さん(左)=長崎市役所

 市民団体「高校生平和大使派遣委員会」などは7月19、26、8月2日の3日間、長崎と米ハワイ州の高校生によるオンライン学習交流会を初めて開く。本来は8月にハワイの高校生2人を招待する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止に。2018年に始まった交流事業を継続させるため、初代ハワイ派遣高校生平和大使、安野伊万里さん(20)=同志社大3年=が企画した。
 安野さんは18年2月にハワイへ派遣され、現地の高校生らと交流。互いの国の加害と被害の歴史を学び、対話する大切さを学んだという。同年8月、19年8月には、同委員会などがハワイの高校生を長崎、広島に招待している。
 安野さんは現在、新型コロナの影響で大学がオンライン授業になったため、帰省中。招待事業の中止を知り「今年は被爆75年の節目でもあり、ここでやめれば続けるのが難しくなると思った」。そこでオンライン会議システムを活用した新たな交流の形を創出。「対話を重ね、平和の懸け橋になってほしい」と後輩たちに期待を寄せた。
 オンライン交流会は3日間とも午前10時に開始。両国の高校生が3人ずつ参加する。7月19日は互いの平和活動などについて意見交換。26日は被爆者の下平作江さん(85)の被爆講話などがあり、最終日の8月2日に平和アピール文を作成。6人が読み上げる動画も撮影し、文書と一緒に国連、ハワイ州政府、日本の外務省に送付する予定。

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