屈指のクラシックホテル、「幻の建築計画図」などを公開へ 富士屋ホテルが展示室一新

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実現しなかった6枚の「幻の建築計画図」=富士屋ホテル史料展示室

 日本屈指のクラシックホテル、富士屋ホテル(箱根町宮ノ下)は、142年前の誕生から現在までの歴史を紹介する史料展示室「ホテル・ミュージアム」を一新した。2年余に及ぶ改修工事中に見つかった「幻の建築計画図」や食堂天井画の原画など貴重な史料も仲間入り。ホテルがリニューアルオープンする15日から公開する。

 ホテル宿泊客対象の「ミュージアム」(入場無料)は、1936(昭和11)年に建造された花御殿の地下1階にある。昭和天皇をはじめとする皇室ゆかりの品々や国内外の著名人の写真とサイン、1885(明治18)年以降の宿帳などを展示していた。今回の改修工事に伴い、展示スペースも約150平方メートルに広げてリニューアルした。

 新たに仲間入りするのは、2018年4月からの改修工事に伴って見つかった史料。特に、施錠してあった倉庫には戦前の帳簿類などが段ボール箱約60個に入れて大切に保管されていた。この帳簿類も展示しているが、閲覧はできない。

 勝俣伸社長は「終戦後、ホテルは1945年から54年まで進駐軍に接収された。貴重な史料が散逸しないように、施錠したままにして存在を隠していたのではないか」と推測する。

 展示品で注目されるのが建て替え工事や新築工事の設計図だ。58年のフォレスト・ロッジ新築計画初期案から70年の大規模建て替え計画第2次案まで6種類の設計図が並ぶ。いずれも当時の経済情勢などの影響で実現しなかった計画の一部だが、歴代経営者の先駆的な姿勢がうかがえる。