今夜放送!『レディ・プレイヤー1』のスピルバーグは自身の“映画のオマージュ”を嫌がっていた!?

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地上波初! 2020年7月3日(金)21:00より日本テレビ「金曜ロードSHOW!」にてスティーヴン・スピルバーグ監督の 『レディ・プレイヤー1』(2018年)が放送される。

本作には『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン、『グレムリン』、『AKIRA』から金田のバイクといった 、1980年代から1990年代の数々の名作映画に登場した人気キャラクターや乗り物へのオマージュが含まれている。その理由は、作品の舞台である「オアシス」というVR世界を作ったジェームズ・ハリデーが、その時代のポップカルチャーの大ファンという設定だったためだ。作品の原作を書き、脚本を手がけたアーネスト・クラインが以前、米ハリウッド・リポーターに当時のエピソードを明かしていた。中でも、多くのオマージュが含まれる本作について、スピルバーグ自身は創り上げたコンテンツをオマージュすることに葛藤があったというから驚きだ。

スピルバーグは自分の作品へのオマージュを嫌がっていた…

「スピルバーグは『レディ・プレイヤー1』の中で自分の作品を登場させることを嫌がっていました。 彼は謙遜しているわけではなく、単純に自己言及や自分の作品へのオマージュが嫌いなだけなんです。」とクラインは明かす。
その理由として、『1941』(1979年)の冒頭で『JAWS/ジョーズ 』(1975年)のパロディを再現したことが影響しているという。このパロディについて、多くの批評家たちから強い非難を浴びたため、それ以来スピルバーグは過去の作品に言及することを控えるようになったとクラインは説明する。しかし『レディ・プレイヤー1』では、数々のオマージュ自体が作品の大事な要素となっているため、クラインらはスピルバーグを説得する必要があったという。

「スピルバーグを説得するのは大変なことだった。ほとんどの場合、彼はいいよと答えていたよ……彼が“製作しただけで、監督をつとめていないもの”に限ってはね。」とクラインは明かした。
作中にスピルバーグ監督作品『ジュラシック・パーク』(1993年)のティラノサウルスが登場したのは、結果として、どうやらクラインたちが上手く説得できたということなのだろう。

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Wish a Happy Birthday to our director, Steven Spielberg

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「オアシス」にある無重力ダンスクラブは当初カットの予定だった‼︎

クラインによると、スピルバーグは、この映画に含まれる多くのオマージュの発案者となっただけではなく、映画を製作する上での全体の流れにも強く働きかけていたという。
この映画が製作された当初から、脚本にはこの映画の舞台「オアシス」にある無重力ダンスクラブのシーンが含まれていた。しかし、製作会社はこのシーンをカットしたいと考えていたという。スピルバーグが監督に決まった際、彼はクラインの脚本と原作小説を読み、無重力ダンスクラブをふくめ、スクリーンに登場させたいもののすべてをポストイットに記入していったという。

クラインは、「スティーヴンは“なんで無重力ダンスクラブを削除したんだ?”と製作会社に聞いたんだ。すると彼らは“どうやってやるのかわからなかったし、お金がかかりすぎると思うから”と言っていた。でもスピルバーグは、そのシーンをどう作るかのアイデアをすでに持っていて、問題としなかったんだ。」と、スピルバーグのおかげで、無重力ダンスクラブのシーンが実現できたことを明かした。

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The stars of #ReadyPlayerOne stepped out on the red carpet at the Japan premiere!

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クラインは過去のスピルバーグ作品に感化されて原作小説を書き上げた!

スピルバーグは終始、「自身の小説が大画面で公開されるのを観たい」というクラインの熱意に感化されていたという。
「私はスティーヴンに“もしあなたの映画を見て育っていなかったら、全く違う小説になっていたでしょう”と何度も言伝えたんだ。」とクラインは明かした。
過去のスピルバーグ作品がなければ出来上がることのなかった原作『レディ・プレイヤー1』の監督に、他でもないスピルバーグを抜擢したのは当然だったようだ。

数々の名作へのオマージュがたくさんつまったSF映画『レディ・プレイヤー1』は2020年7月3日(金)21:00より日本テレビ「金曜ロードSHOW!」にて放送される。

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