奥田民生「あんなに“カニ”を推す人はいない」井上陽水の“変わり者”ぶりを語る

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放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。6月28日(日)の放送では、先週に続いてミュージシャン・奥田民生さんが登場しました。

上から、奥田民生さん、高須光聖

◆井上陽水の魅力
高須:民生君は、いろんなミュージシャンやアーティストに出会ってきていますよね。そのなかで、この人“変わっているな”とか“不思議なオーラがあるな”とか思った人って誰ですか?

奥田:身近なところで言うと、やっぱり井上陽水さんですね。

高須:やっぱりそうやんね(笑)。発想力というか、物を見る視点が人と違うもんね。

奥田:そうですね。だから、(井上さんから)歌詞の作り方を学んだんですよ。2人で同じ景色を観ていても、“まったく違うことを考えているな”ってことを思うんですよね。

高須:何を食べたらああなれるんでしょうかね。

奥田:カニを食っていますね。

高須:(笑)。

奥田:隙あらば、カニを食おうとしています。

高須:主食はカニの人なんだ。

奥田:(笑)。ことあるごとにカニの話をしようとしてくるんですよね。「たまにはカニでも……」って言うから、「ホント、カニの話しかしませんよね」ってやりとりをするんですよ。

高須:じゃあ、結構うまいカニを食べてきているんじゃない?

奥田:陽水さんって、かなりの数のツアーをやっているじゃないですか。あれって、絶対カニが食べたいからですよ。あんなにカニを推す人っていないですよ。

高須:それがあの人の魅力なんだろうね。面白いね。

奥田:俺らの世代は小物揃いな気がしますよね。

高須:それ、トータス松本も言っていた。

奥田:あまり、1人だけで前に出たがらないんですよね。

高須:そうだね。でもそれって、民生君のカラーでもあると思うよ。この世代のミュージシャンのスタイルというものを自然にまとってしまうというか。

奥田:そうなんですかね。俺はそういう時代だったのかなって思いますよ。前の世代の人とは“違うことをしないといけない”って気持ちはあるだろうから。昔はカッコいいと言われたものを、ちょっと否定する感じを出さないといけなかったのだと思います。

◆「追い詰められたらなんでもやれる」
奥田:カーリングシトーンズはね、最初、サッとやってサッと去るバンドっていうムードがあったんですよ。だけど、新型コロナウイルスの影響でわけがわからなくなっちゃいました。

高須:たしかにね(笑)。終わりどころがなくなっちゃったよね。

奥田:そうなのよ。なんなら、今1番仕事をしているのはカーリングシトーンズになっちゃっているんですよ(笑)。みんな、自分のことができない状態になっているからね。カーリングシトーンズのメンバーに「テレワークで集まるよ」って声をかけると、わりと集まるんですよ。

高須:なるほどね。

奥田:新型コロナがなかったら、やっていなかったこともありますからね。

高須:そうなんだよね。

奥田:追い詰められたら人は何でもやるんだなって思いました。

高須:テレビ業界も少しずつ元に戻りかけてはいるけれど、いつまた前の状況に戻るかわからないよね。

奥田:テレビを観ていて最近思いますけど、僕はYouTube側の人間みたいになっていますよ。

高須:(笑)。

◆“個”を重んじるユニコーン
高須:生活の1日の流れを教えてください。

奥田:基本的には動画を撮ったり、録音をしていますね。

高須:作業場にずっといるの?

奥田:そうですね。基本1人で作業を進めないといけないから、普段よりも時間がかかるじゃないですか。

高須:かかりますね。

奥田:データのやりとりをするにしても、ちょっとのことで時間がかかってしまうんですよね。生活リズムの内容自体はそんなに変わっていないですね。

高須:今までやってきたことを、自分のスタジオでやっているってことだね

奥田:そうです。ライブができないこと以外は、やることはあまり変わっていないんですよ。

高須:だけど、グループでの活動ってなると、話は変わってきますよね?

奥田:ユニコーンなんて一切連絡がないですよ。

高須:(笑)。

奥田:こうやって収録をしているあいだに、もしかしたらユニコーンの連絡があるかもしれないですけどね(笑)。笑っちゃうぐらい連絡を取り合わないんですよ。

高須:以前、「ユニコーンは一皮も二皮もむけたので、メンバー全員が揃わなくてもいい。3人いたらユニコーン」って言っていたよね。

奥田:(笑)。もちろん心配はしていますけど、それぞれ何かをやっているんだろうなって思っています。

高須:それぐらいの距離感が、またいいんだろうね。こうしないといけないっていうスタイルがあると、しんどくなってきて、各々のことに干渉したくなるだろうからね。

◆奥田 高須に企画を頼む!?
高須:ミュージシャンが集まると、“音楽を無料で提供しなければならない”って空気が、世の中にちょっとずつ蔓延していないですか?

奥田:なんとなくわかります。

高須:ミュージシャンという職業なんだから、お金を稼がないといけないのに、なぜかそういう空気がありますよね。

奥田:コンサートだと当たり前のようにお金をもらえて、そのなかで自由に動けていたんですけどね。

高須:その活動を離れた途端、“え? お金取るの?”みたいになっていますよね。いやいやいやって感じですよ。

奥田:難しい問題ですよね。チャリティーだったら大丈夫みたいな風潮はありますよ。俺たちミュージシャンの業界的にはね、“音楽では儲からない”っていうのはハッキリしているんですよ。だから、Tシャツを売るしかないんです(笑)。

高須:なるほど(笑)。

奥田:あとの収入源はライブなのですが、それは今できない状況ですからね……何か企画を考えてくださいよ。

高須:考えます。だけど、音楽の世界では“見せてはいけない部分”っていうのがありますよね。

奥田:ありますね。

高須:だからこそ、自分たちの世代が何か新しい形で問題をクリアしていかないと、下の世代が大変になりますからね。変化が必要です。

奥田:そうですね。なんなら、ライブもやらなくなる奴らばっかりになるかもしれないよ。

高須:段々と、そうなってくるだろうね。

奥田:難しい世の中ですね。

高須:民生君は曲を作ろうと思ったら、どれぐらいの時間をかけるのですか?

奥田:けっこう時間がかかりますよ。そんなにいろんなことを思い付かないし、昔と変わった部分もありますから。だいたいパッと思い浮かんだものは“あれ? なんか聴いたことがある”ってことはしょっちゅうですからね。

高須:(笑)。自分の得意技みたいなのが出てくるときもありそうですね。

奥田:そうそう。だけど、そっちのほうが気苦労は多いですよ(笑)。曲を作ったときに「これ誰かに似ていないだろうな?」って思いますからね。

高須:なるほどね。じゃあやっぱり、誰かと音楽をやっているときのほうがやりやすい?

奥田:そう。人とやるときに誰かと似ている曲になったとしても、“自分のせいじゃないしな”って思える。

高須:お互いがもたれかかる形で、製作を進めていけそうですね。


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<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00~25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/