運動時の水分補給は「硬水」と「軟水」どっちが適しているの?

©株式会社オールアバウト

販売されている水は大きく「硬水」「軟水」に分けられますが、運動時におすすめなのはどちらでしょうか? 硬水と軟水の違い、運動時の水の選び方、飲み方について解説します。

水の硬度はミネラル含有量の違い

水の硬度とは、水のなかに含まれるミネラル分、カルシウムとマグネシウムの合計量を数値化したもの。算出基準は国によって異なりますが、日本ではアメリカの基準が広く採用されています。

WHO(世界保健機関)の基準では120mg/L以上のものを硬水、120mg/L未満のものを軟水として分類しています。また101~300mg/Lまでの水を中硬水として、軟水や硬水とは区別することもあります。

日本では生活用水の80%が硬度80以下の軟水。水道水なども軟水に分類されます(※)。硬水と軟水、どちらが好みかというのは人それぞれですが、日本人には普段から飲みなれている軟水のほうが飲みやすいと感じる人が多いようです。また硬水と軟水はそれぞれの使用用途によって、食事や飲み物により適した利用法があります。

※参考:水の硬度(東京都水道局HP)

賢く使い分け! 軟水と硬水の特徴

軟水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が硬水に比べて少ない分、コーヒーや紅茶などの香りや味などがストレートに引き出されます。料理などでも素材やダシ、香りなどが浸透しやすいので味がしみ込みやすく、日本料理全般に適しています。

カルシウムやマグネシウムを一度に大量に取ってしまうと胃腸に負担をかけて、お腹を壊してしまうこともありますが、軟水にはそのような心配は少ないといわれています。

ただしミネラル分が少ないため、スポーツ時に軟水を飲む場合は、塩分やミネラル分を含んだ食品などを別に準備して、一緒に補給することが望ましいです(梅干し、レモン、バナナ、こんぶのおにぎり、アーモンドなど)。

硬水は、運動後のカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分補給に適しています。ただし、日本人はあまり硬水を飲みなれていないことや、胃腸に負担をかけやすいこともあるので、運動後の水分補給は数回に分けてこまめに取るとよいでしょう。

料理においては、肉などの灰汁が出やすくなる特徴があるため、灰汁を十分に出したいときには適していますが、含まれるミネラル分によってタンニンやカフェインが溶けにくいことから、コーヒーや紅茶などには適さないようです。

運動におすすめの水は硬水! ただし飲み方には注意が必要

カルシウムとマグネシウムを多く含む硬水は、運動後の水分補給に適しています。しかし、いきなり大量に飲むとお腹を壊すことにもなりかねません。まずは今まで飲んでいる水から、少しずつ硬水に変えていくのがよいでしょう。飲み続けても体調に問題なければ、硬水での水分補給を続けてみましょう。

硬水を飲むことでカルシウムやマグネシウムを摂取することができ、足がつったり、筋肉がけいれんするなどといった運動時のトラブルを予防することにもつながります。

ただ「お腹を壊すのが心配」という人は運動中などには軟水を飲み、運動後に硬水に切り替えた方が無難かも。ランニングやウォーキングなどすぐにトイレに駆け込むことが困難な場合なども同様です。

ミネラルウォーターの硬度

国内で販売されているミネラルウォーターは、飲みやすさを考慮した軟水のものが多いようですが、輸入されたものの中には硬水のミネラルウォーターもあります。飲み比べてみて、好みの水を探してみるのもいいかもしれませんね。代表的なミネラルウォーターの硬度をいくつかご紹介します(単位はmg/L)。

 軟水(~120)

・南アルプスの天然水(30)

・クリスタルガイザー(38)

・「アサヒ おいしい水」天然水 六甲(40)

・ボルヴィック(60)

・いろはす(100未満)※産地によって違いあり

 硬水(120~)

・エビアン(304)

・ヴィッテル(307)

・コントレックス(1468)

硬水、軟水ともに場面に応じた使い方や、メリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を活かし、運動にも役立ててくださいね。

西村 典子プロフィール

20年以上に渡り、スポーツ現場でのトレーナー活動に従事する日本体育協会公認アスレティックトレーナー。NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。選手へのトレーナー活動だけでなく、幅広い年齢層を対象としたストレッチ講習会やトレーニング指導経験も豊富。スポーツ傷害予防や応急処置などの教育啓蒙活動も行い、毎日の健康づくりに役立つ運動に関する情報発信を精力的に行っている。

(文:西村 典子(アスレティックトレーナー))