【新型コロナ】神奈川県、独自にアタッシェケース型迅速検査キット開発 「最長60分、その場で検査結果判明」できる体制構築へ

神奈川県は3日、持ち運びができるアタッシェケース型の新型コロナウイルスの検査機器「ライフケース」を開発したと発表した。7月中に約100セットを医療機関などに供給することを目指す。病院で採取した検体を検査機関に運ぶ手間がなくなるほか、検査時間も約1時間と通常のPCR検査に比べて短くなる。

1セットあたり1時間で24検体の検査可能

今回、神奈川県が発表した「ライフケース」は、県衛生研究所と理化学研究所が開発した「迅速検出法」を使うことで検査時間を短縮する。1セットあたり1時間で24検体の検査ができ、検査機関に試料を送付することなくその場で結果が得られる。ウイルスの変異も試薬の変更で対応できる。検査精度はPCR検査とほぼ同等という。

仮に県内に100台を導入して1日あたり5時間の検査を実施した場合、1万2000件の検査ができることになる。機器や試薬の生産は理研発ベンチャーのダナフォーム(横浜市)が担い、7月中に100台生産する予定。

価格は1セット200万円だが、医療機関などの導入費用は県が全額負担し、臨床検査技師への研修も県が実施する。黒岩祐治神奈川県知事は3日の会見で「検査の『神奈川モデル』だ」と自信を示した。今後、県外や国外への販売も目指す。

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