識者談話「実効性に疑問」 県 4段階警報レベル導入

 県が3日に導入した独自の警報レベルについて、県医師会理事の峰松俊夫医師(ウイルス学)に運用の課題を聞いた。
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 県の警報レベルは、各レベルに応じた対応が明確に示されていない。県民は情報をどう生かしていいのか分からず、レベルが示されたところで行動に移せるかどうか実効性に疑問がある。
 警報発表の目安が感染者数やクラスター(感染者集団)の発生だけというのも判断材料に乏しい。無症状や軽症が含まれる感染者数より、重症者の有無の方が医療現場に与える影響は大きいからだ。感染が拡大している鹿児島県など隣県の状況も判断材料に加える必要もあるのではないか。
 本県は7医療圏で医療施設やスタッフ数など体制に偏りがあり、県全域で統一してレベルを発令するのも実情に即していない。発令基準を医療圏ごとに設定できなかったのか。
 県が情報を発信することで県民の感染予防の意識は高まるだろう。しかし、第2波に向けて的確に運用するには改良点が多いシステムなのではないか。

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