【新型コロナ】感染の有無1時間で確認 簡易パッケージ、神奈川県など開発

新型コロナウイルスを迅速に検出できるアタッシェケース型の検査機器=神奈川県庁

 神奈川県は3日、理化学研究所と共に開発した新型コロナウイルスを迅速に検出できる技術「スマートアンプ法」を活用した検査機器の簡易パッケージ化を実現したと発表した。これまで検査機関への検体輸送や連絡などを含めると感染の有無確認まで通常1~2日程度かかっている時間が、その場で検査できることから1時間程度に短縮できるという。

 アタッシェケース型の機器で、理化学研究所発のベンチャー企業「ダナフォーム」(横浜市鶴見区)が生産。医療機関や介護施設での利用を想定し、約1時間に24検体を検査できる。

 7月中に100セットの供給が可能。1セットの価格は約200万円だが、県は購入費用を全額補助するほか、検査導入に伴う臨床検査技師の研修事業も支援する。

 黒岩祐治知事は臨時会見で「現在は保健所が中心の検査体制だが、検査の神奈川モデルとして医療機関中心の体制に移行する。これにより保健所は感染拡大防止の業務に集中できるようになる」と強調。県医療危機対策統括官の阿南英明医師も「今後の第2波やインフルエンザの流行期に対処できる基盤になる。日常の医療に近づくことができる」と意義を語った。

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