【新型コロナ】中3漢字など除外 来春の公立高入試出題範囲で 神奈川県教育委員会

来春の神奈川県内公立高入試 出題範囲から除く内容

 新型コロナウイルスの感染拡大で学校の臨時休校が長期化したことを受け、神奈川県教育委員会は3日、来春の公立高校の入試で出題範囲から除く内容を明らかにした。「学校で学習していないことは出題しない」との前提で、中学3年で新たに学ぶ漢字や英単語などを除外。年間の学習内容の1~2割に当たる。公立中学校を所管する市町村教委などに同日、通知した。

 対象は県立高と横浜、川崎、横須賀3市の各市立高。社会と数学、理科は、入試前の来年1月末までに学んだ内容から出題する。具体的には、社会「私たちと国際社会の諸課題」と数学「資料の活用(標本調査)」、理科の第1分野「科学技術と人間」、第2分野「自然と人間」が除外される。

 国語と英語は、中学3年間を通じて学習すべき内容を繰り返し学ぶ特性から、出題範囲を限定することは難しいと判断。その上で、漢字と英単語は、教科書で学習順序が異なるため公平性の観点から、3年生で新たに学習するものは除く。

 また、学力向上進学重点校などで実施している記述型の自己表現検査も、学力検査と同様の内容を除く。

 一方、除外された内容についても、中学で卒業までに学習する、としている。

 桐谷次郎教育長はこの日の会見で、「受験生が勉強したことを評価すると同時に、選抜の公平性・公正性を確保することを考えた」と述べた。

 入試日程で、新型コロナ感染者、濃厚接触者と認定された受験生には、合格発表後の3月10日に追加検査を実施する。こうした内容を記載した募集案内や各校の選考基準を今月9日に公表する予定だ。

 出題範囲などについて県教委は、県内公立中学校長会の代表者らと協議、市立高校設置者の3市教委と調整した。文部科学省は5月、都道府県教委などに対し、出題範囲や内容、出題方法について、適切な工夫を講じるよう通知していた。

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