諫干請求異議差し戻し審 「法的安定 害する」 漁業者側が国に反論

©株式会社長崎新聞社

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門確定判決を巡り、開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟の差し戻し審第2回口頭弁論が3日、福岡高裁(岩木宰裁判長)であった。「開門の強制執行は権利乱用」とした国の主張に対し、漁業者側は「強制執行を許さない事態を軽々と認めれば法的安定を害する」と反論した。
 同訴訟は、2010年の開門確定判決が「無効」として国が提訴。最高裁は昨年9月、国の主張を認めた二審福岡高裁判決を破棄、審理を差し戻した。
 差し戻し審では、国は▽諫早湾近傍部の漁獲量が増加傾向▽複数の「非開門」の司法判断-などを挙げ、「開門強制は権利乱用」と主張。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で3月以降、口頭弁論の期日が取り消されていた。
 3日の口頭弁論で、漁業者側代理人は「国は自ら『開門しない義務』を負ったにもかかわらず、被害者のように主張するのは背信である」と指摘。「確定判決後の時の経過による事情変更」を示唆した最高裁判決の補足意見に触れ、「10年も経過していない債権(確定判決)が時の経過で消滅するという判断は誤った指摘」と主張した。
 国側は9月30日の次回口頭弁論に反論する書面を提出する。