長大病院実習生が新型コロナ感染 県民、驚きと不安 長崎市長「新しい生活様式を」

長崎大学病院で実習していた学生の感染を受け会見する泉川教授(中央)=長崎市坂本1丁目、長崎大医学部良順会館

 長崎県で約2カ月半ぶりに新型コロナウイルス感染が確認された。6月19日に都道府県境をまたぐ移動自粛要請が全面的に解除され、人の動きが戻り始めた中での感染確認に県民からは4日、驚きや不安の声も。「第1波が収まり、人の移動が始まった。いつ感染が広がってもおかしくないと認識し、(感染対策を徹底する)新しい生活様式を取り入れてほしい」。会見した長崎市の田上富久市長らは警戒を呼び掛けた。

 長崎大学病院によると、感染が確認された男子学生は病院での実習中、マスクを常時着用し、1メートル以内で15分以上の接触は避けるなど感染対策に気を付けていた。感染制御教育センター長の泉川公一教授は「(病院の中には)濃厚接触者の定義に当てはまる人はおらず、感染は拡大していないと思う」との見方を示す。
 同病院は、ほかに学生と接触した病院関係者がいないか調査を継続。学生を指導した医療従事者は休職し健康観察をするほか、実習もオンライン授業を増やすなど感染防止対策を強化する。
 一方、同大の学生や県民からは日常が戻り始めた中での感染判明に驚きの声も。「ニュースを聞いてびっくりした。まだまだ収まらないのがこのウイルスの怖いところ」。同大の男子学生(19)は驚きを隠さない。女子短大生(19)も「感染経路が分からないのが怖い」と不安を口にした。20代の女性保育士は「感染したくないけど時間の問題かな。ここまで来たら予防も難しい」と受け止めた。
 東京都で確認された感染者は4日、3日連続で100人を超え、全国では緊急事態宣言解除後で最多となる272人に上った。会見した田上市長、泉川教授は3密回避など「新たな生活様式の実践」を異口同音に呼び掛けた。


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