「かつ弁当」召し上がれ 福島わらじまつり食でアピール

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4日にエスパル福島内で販売が始まった「大わらじ福かつ弁当」

 福島市の夏の風物詩「福島わらじまつり」の大わらじを題材にした「大わらじ福かつ弁当」が完成した。市内の生徒や学生、スーパー、金融機関、市による産学官金の連携事業。県産食材や郷土料理をふんだんに用いており、豊かな食を全国にアピールする。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後の支援への感謝の気持ちを込め来年、福島市で開催される東京五輪野球・ソフトボール会場で無料配布する考え。

 福島市内の中高校生や福島大、福島学院大の学生ら若者有志約三十人が弁当のアイデアを出し合った。東邦銀行がスーパーのいちい、市などをつないだ。試作を重ね、約一年かけて完成させた。

 県産エゴマ豚を使った長さ約十五センチ、重さ約二百グラムとボリュームたっぷりのとんかつに、市内の内池醸造の特製ソースを絡めている。西会津産コシヒカリ、二本松産のキュウリの漬物、県北地域の郷土料理の「ひき菜炒り」、県北産の桃を用いた白玉団子、厚焼きたまごを添えている。

 一個千八十円(税込み)。県外から訪れた人に売り込みを図るため四日、JR福島駅の駅ビル・エスパル福島内でいちいが運営するプラスワンキッチンで販売を始めた。今後、福島市内のいちい店舗や県観光物産館での取り扱いを予定している。

 来年は五輪観戦で福島市の県営あづま球場を訪れた人に一日千個、三日間で三千個の弁当を配り、福島の感謝を伝える方針。弁当代として三百万円が必要になるため、中高校生が地元企業で「賃金発生型インターン」に臨み、賃金を基金に積み立てて財源に活用できないか探っている。

■子どものアイデア実現

 内閣府主催の「地方創生☆政策アイデアコンテスト」で日本一に輝いた七島海希さん(13)らによる「ふくしまにぎわいラボ」が、昨年五月に開かれた「福島市らしさ」を考える会で「福島ならではの弁当がないのは寂しい」と意見し、実現した。

 産学官金の連携による弁当製作の事業は、人口減少や東京への一極集中が課題となる中、若者が地元企業の魅力を知り、県内に残ってもらおうとする役割も担っている。

 七島さんは「福島の魅力が詰まった弁当を通して、子どものアイデアが実現される仕組みを、福島モデルとして全国に広げたい」と話している。

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 東邦銀行本店で四日、成果発表会と試食会が開かれた。約四十人が出席し、七島さんと福島市を創る高校生ネットワークの八巻叡美(さとみ)さん(17)=橘高三年=らが取り組み概要を発表した。

 木幡浩市長、佐々木高敏JR福島駅長、三浦浩喜福島大学長、佐藤稔東邦銀行頭取らが試食し、さらなる連携を誓った。

弁当を試食する七島さん(右中央)や八巻さん(右手前)ら