恋愛だけではわからない…生活で見えてきた金銭感覚の違いと最後のお金

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恋に落ちてデートしているだけではわからなかったお互いの生活意識。とくに一緒に住むと見えてくるのは金銭感覚の違いです。恋心も冷えてしまった彼との生活とは……。


どんどん好きになって一緒に住むように

出会って1ヵ月後には、ほぼ彼の家に帰るようになっていたというマリナさん(30歳)。

「出会いは偶然でした。仕事帰りにひとりで最終回の映画を観に行ったんです。観たかった映画だったし、想像以上によかったので、終わってからもすぐに立つ気になれなくて。ほとんどの人がいなくなったころ、ようやく立ったら、数席離れて座っていた男性も同時に立ち上がったんですよ。ふっと目が合って」

お互いに映画の余韻に浸っていたのでしょう、目を合わせて現実に戻った感じがしたといいます。

「いい映画でしたねって彼が言って、ずっと観たかったけど時間がなくて来られなくて、来てよかったですと私が言って。なんとなく『軽くそのへんで何か食べながら映画の話をしませんか』と誘われました。抵抗感はなかったですね」

映画館の近くのカジュアルなイタリアンレストランに入り、映画の話に没頭したそうです。ようやくお互いに「で、何してる人?」という話題になったのは、食事も終わったころのことで、ふたりで大笑い。今度は自己紹介がらみで話が弾み、気づけば終電がなくなっていました。

「彼は大企業に勤めていました。私は中堅ですけど、彼はうちの会社を知っていて『大きくはないけど、いい会社だよね』と。それがうれしかったです」

ふたりともひとり暮らしで、その繁華街からは帰る方向が同じでした。彼はタクシーで送ってくれたそうです。食事もごちそうになったため、彼女は気が引けてタクシー代を出そうとしましたが彼は受け取りませんでした。その代わり、明日、また会ってくれないかなと彼は言いました。

「映画の話もプライベートなことも、まだまだ話し足りない。私もそう思ったので、翌日もデート。この日は和食のステキなお店に連れていってくれました。私が払うつもりだったのにまたもごちそうになって」

彼は3歳年上の独身。それから毎日のように会ったそうです。高級なフレンチからガード下の屋台や老舗の居酒屋まで、彼はよく店を知っていて、すべて奢ってくれたそう。そして1ヵ月もしないうちに、彼女は彼のマンションに帰るようになりました。

最初はよかったけれど

彼の住居は1LDKで、就職してすぐに自分で購入したそうです。

「駅から近いし、中古だけどしっかりした物件だったからって。きれいに住んでいましたね。誰か女性が通ってきているんじゃないかと最初は思ったけど、彼がきれい好きだったんです」

彼女が自宅に戻るのは週に2回ほどで、あとは彼と帰宅時間を合わせて家で食事を作って食べることが多くなりました。毎日が楽しかったといいます。

「お互いを知っていく過程って恋の醍醐味だなあと思っていました。日々、新たな発見で、しゃべって笑って」

食関係はすべて彼が払ってくれていたので、彼女は生活用品などを買うように心がけていたそうです。

「彼は料理上手で手早いので、私はアシスタント。せめてものお礼にとせっせと後片づけをしました」

ところが1ヵ月半ほどたったある日、彼女がお皿を洗っていると、彼が「前から言おうと思っていたんだけど」と言い出しました。

「『洗剤の量が多すぎる』って。何?と思いました。すると彼は堰を切ったように、『これも前から言いたかったんだけど』と前置きして、皿を洗っている間、ずっと水を出しっ放しにしている、きみはすぐにキッチンペーパーを使うけどもっとぞうきんやふきんをうまく使ったほうがいい、きみが料理をしているのを見るとにんじんや大根のシッポを切りすぎる、などなど、たくさんダメ出しされました。基本はすべて『もったいない』です。彼、実はものすごい倹約家だったんですよ」

最初は彼も見栄を張っていたのでしょう。マリナさんの気を引きたいこともあってせっせとごちそうしてくれたのですが、関係が安定したとたん、我慢してきたことを一気に吐き出したようです。

「自分の家に来て自分と違う台所の使い方をされるとイヤだろうし、もったいないという気持ちもわかります。だから、その場ではハイハイと言ってお手洗いに行こうとしたら、『トイレットペーパーは1回に30センチくらいにして』と追い打ちをかけられました。上手に節約したい人なのか、ただのケチなのか、ちょっと悩みましたね」

1度言ったら気が楽になったのか、それからの彼はダメ出しのオンパレード。彼女のやることなすこと、もったいないと非難するようになりました。そろそろ見切りをつけないといけないかなと彼女は心の準備をしていたそうです。

「最後は、『ったく、きみにはお金も手間もかけてきたのに、何もわかってくれないんだね』と。これでさすがに私もキレました。『釣った魚に餌をやらないだけじゃなくて、魚に文句を言うのか!』と叫んで、用意しておいた20万円を彼に投げつけて家を出ました」

半同棲をするようになって2ヵ月でした。つきあって3ヵ月。その間、彼がマリナさんに使ったお金が20万円くらいかどうかはわからないといいます。

「それほど使ってくれていないかもしれません。だけどあとから文句を言われるくらいなら、叩きつけてしまおうと思って。友だちにはかえってわたしが損をしたと言われますが、お金も手間もかけてきた、なんて言われたら、ふざけるなと言いたくなるでしょ」

彼はその後、何度も謝罪のメッセージを送ってきました。きみの潔さに惚れ直したという言葉もありましたが、マリナさんの気持ちは動かなかったそうです。

「私にとって20万は大金ですけど、それでものちのちまであのオンナには金を使ったと思われたくなかった。彼がそう思うんじゃないかと想像するのもイヤでしたから。その後すぐ、彼の連絡先は全部削除しました」

「おごってやった」「彼女に金を使った」などという気配が少しでも見えると、女性の気持ちは急速に冷めていくものなのかもしれません。