日本列島のほぼ中央に位置する「日本のへそ」の一つ、渋川市。榛名山などの裾野に広がる豊かな自然を誇り、日本の名湯伊香保温泉は国内外から多くの人気を集めている。同市生まれで「日本のまんなか しぶかわ観光大使」を務める女優、真嶋優さん(22)は、幼少期から渋川の魅力に触れてきた。そんな彼女のお薦めを巡った。
◎制服姿でリフティング 話題に
都内に住む真嶋さんが、帰省で渋川駅を降りると「深呼吸したくなる」という。耳を澄ませば鳥のさえずりや、木の擦れ合う音が聞こえる。飲み水一つとっても違う。「五感が研ぎ澄まされる場所」。市民が当たり前に思うことでも、離れると新鮮に感じる。
子役としてドラマや舞台に出演、高校生から本格的に女優業に打ち込む。一方、3歳から続けるサッカーを生かした「フリースタイルフットボール」を特技とし、制服姿でリフティングを披露したCMが話題に。現在も動画をツイッターなどで公開している。
渋川市総合公園で思い切りボールを蹴った。「東京ではこんな全力で蹴れないですね」と笑顔。またさりげない魅力を見つけた。
【渋川市総合公園】
テニスコートやバーベキュー場を備える57.2ヘクタールの市総合公園。子持山や赤城山を望む標高600メートル地点で、特技のフリースタイルサッカーを披露した。
跳びはねながらボールを蹴り上げ、体をターンして足首でキャッチ。2018年の陸上競技場リニューアルオープンの際に、式典でも披露した。
撮影直前、降っていた雨がやみ、晴れ間がのぞいた。「出掛けるときは晴れが多いんです」と笑顔を見せた。
(渋川4230・新型コロナ対策として施設予約は県内在住者のみ)
【雙林寺】
木々に囲まれた境内に入ると、壮大な山門がある。立体的に彫られた小僧は、日光東照宮(栃木県日光市)の「眠り猫」と同じ左甚五郎が手掛けたとされる。
片腕のない小僧は寺に伝わる七不思議の一つと「祖父が教えてくれた」そう。ほかに「のぞいた顔が水面に映らなければ死ぬといわれる底なし井戸」などが地元では有名だ。
「大みそかに除夜の鐘を鳴らした」「運転免許を取ったときも練習で訪れた」など思い出は尽きない。
(中郷2399)
【あおぞら本店】
「渋川に帰ると必ず訪れます」。生肉で仕入れたタン、カルビ、ハラミをいただく。熟成させた上州牛の「あおぞらカルビ」を頬張ると、うま味と軟らかさに頬が落ちる。
肉はもちろん、新潟直送「こしいぶき」を独自の方法で炊いたライス、提供直前まで果物を漬け込んでおくタレなど、こだわりが随所に見える。
食後の楽しみアフォガードは「エスプレッソの苦味とバニラアイスの甘さが絶妙」。笑みが止まらない。
(渋川2809-1)
《わたしが撮るならこんな視点》
家族で何度も訪れた伊香保温泉の石段街をぶらりと歩いた。射的を楽しんでいたら、日が暮れてきた。石段の途中で後ろを振り返り、連なる電球の柔らかな輝きに気付いた。思わずパシャリ。
石段街を明かりで演出するプロジェクトは3月に始まった。点灯は午後6時~午前0時。階段を流れる温泉や樹木なども光り輝く。