SBのモデルは中村憲剛!川崎フロンターレ・登里享平が語るJ再開と、新たな“相棒”

7月4日、ついに再開した明治安田生命J1リーグ。

タイトル奪還を目指す川崎フロンターレはホームで鹿島アントラーズと対戦。無観客のリモートマッチで行われた一戦は、2-1で川崎の勝利に終わった。

開幕戦に続き先発出場した登里享平は、高卒で入団して以降フロンターレ一筋でキャリアを築いてきた29歳だ。

近年は主にサイドバックとして出場し、テクニシャン揃いのチームを陰から支えている。

そんな今年プロ12年目を迎えた登里に、コロナ禍で感じたことや今年チームが取り組んでいるサッカー、新たな“相棒”などについて聞いた。

日常の変化、ピッチでの進化

――今年、プロ12年目のシーズンを迎えました。開幕してすぐ中断となってしまいましたが、それを聞いたときは率直にどのように感じましたか?

体を仕上げてきた分すごくもったいない感じはありましたけど、当初はすぐ再開されるかなとも思っていて。ただそこから再開の見通しが徐々に立たなくなっていき、気持ちの浮き沈みというかモチベーションのコントロールに関しては難しい部分がありました。

――緊急事態宣言が出てからはどんな生活をしていましたか?

外出はもちろん、第三者との接触や家に入ってもらうことダメだったので、毎朝の検温などをしっかりやりながらずっと家で過ごしていました。

家族全員でこれだけ家にいることはこれまでなかったので、子供が退屈しないよう工夫しながら一緒に遊んだりしていましたね。

――これだけサッカーをしない日々は人生の中で初めてだったと思います。

サッカーがなくなった途端、自分は何ができるのだろうと無力さをすごく感じました。

――テレビのサッカー番組に出演されていましたね。

そちらの露出はすごく多かったです(笑)。でもそこでサッカー選手としての気持ちを保てていた部分もありました。SNSなどもそうですね。

――今シーズン、川崎フロンターレは戦い方がガラッと変わりました。プレーヤーとしてはどのようにとらえていますか?

今年は攻守においてよりアグレッシブなサッカーになりました。走りの強度が上がりましたし運動量も増えました。

もちろん判断があっての運動量で、頭を切らさないよう90分プレーしなければならないので頭も体も疲れますね。

――サイドバックとして気をつけていることは?

全体が見えるポジションなので相手の出方や変化を見るよう心がけています。

――登里選手はキャリアの途中からサイドバックで出場することが多くなりました。参考にされた選手はいましたか?

もともとはドリブルでガンガン仕掛けるタイプのアタッカーで、チーム事情もあってサイドバックへ移りました。

手探りの中、ポジションは全然違うんですが、中村憲剛選手にアドバイスを聞いたり話をしたりしながら自分なりに噛み砕いて積み上げていった感じですね。

――なるほど。出し手・受け手のところで試合中、様々なことを考えてプレーされているのを見ていても感じます。

そうなんです。バラエティー番組でふざけたりしていますが、意外に(笑)。

自分の中では今それがすごく楽しいです。昔は1対1での勝負などにこだわっていましたけど、今は相手の変化を見ながらプレーしています。

前は前で楽しかったですが、今はもっと深い楽しみを感じられていて、より充実した気持ちでサッカーができています。

――昨シーズンは右サイドでもかなり出場されていました。右と左では感覚も全然違いますよね?

全然違いますね。対応の仕方なども違って、右で出場した次の日は変なところが筋肉痛になっていたりしました。

新しいスパイクで臨む“リスタート”

――登里選手が履く、ミズノの新スパイク『レビュラカップ』が登場しました。クッション性のあるアッパーがボコボコしていたりしますが、履いてみてどんな印象ですか?

前回のモデルもすごく好きで、変わると聞いて不安な気持ちもありました。前作のレビュラ同様にクッション性も高く、さらにアッパーの「FTグリップ」によりグリップ性が高くなったことで、トラップやタッチの感覚が良くなった印象があります。

自分が履いていてもそうですし、他の選手も興味津々でちょっと貸してみたらやっぱりタッチの感覚が良いと言っていました。試合で履くのがすごく楽しみです。

あと、自分のプレー的に、切り返しのときにピッチを掴むグリップというんですかね。守備のときもそうですし、攻撃でも急な方向転換で足にしっかり付いてきてくれるスパイクなので、心強いですし助けられている部分もあると感じます。

――持ち味ですものね。タッチの部分では、短い距離での“止めて蹴る”とか。

中村憲剛選手が動画とかを上げていて、あれをずっと真似しています。このスパイクを履いてからは足だけ見たら分からないくらいになっていると思います(笑)。

※こちらがその中村憲剛の動画。“止めて蹴る”の極致だ。

アッパーも柔らかいというか、スパイクは足に馴染むのにある程度時間がかかりますけど、『レビュラカップ』は最初からすごくフィッティングが良いです。それでいて緩さもなく、スパイクの外側に体重がかかったときグニャリとならずに支えてくれます。

――周りにミズノを履いている選手が多いですし、スパイクトークとかは結構したりするんですか?

しますね。それぞれが違うスパイクなので、自分のスパイクの良さを他の選手にプレゼンしたりしています(笑)。

僕は小学5年生からずっとミズノを履いています。中学生のときに一回違うメーカーのスパイクを履きましたけど、しっくり来なくてすぐに戻りました。足の“馴染み方”が全然違っていて、他のメーカーを履いたことでよりミズノの良さが分かりました。

『モレリア』から『ウエーブブレード』、『バサラ』、そして『レビュラ』。モデルが変わることを不安に思っている選手もいるんですけど、ミズノはいつもそこを超えてきてくれます。

求めているものに必ず何かをプラスしたスパイクを作ってくれるので、選手として嬉しいですし、履きたい!という気持ちになります。

――好きなスパイクのカラーはありますか?モデルチェンジなどで履き続けることはなかなか難しいと思いますが、登里選手はなんとなく“青”のイメージがあります。

中学時代に履いていた『モレリア2』は青でした。当時青いスパイクは少なかったですし、今回の『レビュラカップ』も綺麗な青なので気に入っています。

あと、奥さんや友達がスタジアムに来たときに分かりやすいよう、なるべく他のメーカーと違う色を履くようにはしています。大阪人なので派手な色が好きな部分もありますけど(笑)。最近は今年春に出た『レビュラ3』のゴールド×ネイビーを履いていました。

――スパイクに関して、ルーティーンというかいつも行っていることはありますか?

スパイクの箱を開けたらまずシューズに装着されている紐を全部取って、自分で一から紐を通していきます。長さを調整しながら、外側を先に下へ通して次は上という感じで。

試合のときは左足からピッチに入ることが多いですね。

――スパイクへのこだわりとしてはやはり先ほど言っていた“グリップ力”でしょうか?

昔は“軽さ”でした。その点も『レビュラカップ』には満足しています。今は先ほども言った“グリップ力”や外側へ沈みこまないことなどを重視しています。

また継続的に進化をしてきた中で今回、グリップ性のあるFTグリップによってアッパーが改良されました。僕の中でこれまで「変えてほしい」と考えたことのない箇所だったのですが、履いてみてその感触に驚きました。

こうなると逆に、「次はどうなるんだろう」と今から考えてしまいます(笑)。

――実際に試合で履かれているのを見るのが楽しみです。最後に、リーグ再開に向けた思いを聞かせてください。

長い時間サッカーから離れていて、いろいろなことを考えました。医療従事者や日々の生活を支えてくださっている方々のおかげでリーグを再開することができ、本当に感謝しています。

再開に当たってファン・サポーターの方もすごく楽しみにされていると思います。その期待に応えたいですし、サッカーがある日常が戻ってきた実感が湧くくらい、ワクワクさせるようなサッカーを常にしたいと思っています。

サイドバックとして、これからもどんどん進化していきたいです。もちろんミズノのスパイクと一緒に(笑)。

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――今年のサッカーだと、ゴールに絡む回数もより増えそうですか?

今年は練習試合で2,3点取っているので良い感触はあります。システムが変わってそのサッカー観というかやり方が自分とすごくマッチしているので、上がる回数も多くて非常に楽しめています。公式戦でゴールを決めたいですね。

※登里は鹿島戦でさっそく『レビュラカップ』を着用していた。ピッチにかなり映える青だ。

登里 享平
1990年11月13日生まれ(29歳)
川崎フロンターレ所属

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