災害時の避難所 コロナ対策は… 県内自治体、半数以上増設見送り

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 新型コロナウイルスの収束が見通せない中、災害時の避難所での感染拡大を防ぐため、新たな避難所を確保済みか確保を予定している自治体は、岡山県内全27市町村のうち13市町にとどまることが、西日本豪雨の発生2年を前に山陽新聞社が実施したアンケートで分かった。国は密集状態を回避するため避難所の数を増やすよう求めているが、施設や運営スタッフの不足などを背景に、半数以上の自治体が増設を見送っている状況が浮かび上がった。

 内閣府は4月、避難所での感染症対策について、あらかじめ指定した施設に加え、可能な限り多くの避難所を開設して避難者に十分なスペースを確保するよう自治体に通知している。アンケートでは、井原、総社市、奈義町の3市町が新たな避難所を「確保した」と答え、岡山、津山、瀬戸市など10市町が「確保する予定」と回答した。

 増設する避難所の種別は、7市町が挙げた「公民館・集会所」が最も多く、内閣府が活用を推奨している「ホテル・旅館」が5市、「学校施設」が1市と続いた。他にも福祉施設や寺院、大型商業施設を検討している自治体があった。

 一方、倉敷、笠岡市など5市町村は避難所の増設以外の方法で密集を回避するなどとして、「確保しない」と回答。備前市、和気町など4市町は「確保できない」と答え、「避難所として活用できる施設が少なく、配備できる職員数にも限りがある」(新見市)といった理由を挙げた。

 阪神大震災を機に設立された研究機関「人と防災未来センター」(神戸市)の高岡誠子研究員(災害医療)は「多くの自治体は従来の避難所数のままだと感染症を防ぐことは難しい。車中避難や親戚・知人宅への避難など住民が多様な選択をできるよう準備を進めるべきだ」と指摘する。

 アンケートは6月下旬、各市町村の防災担当者を対象に実施した。