県民、再警戒求める声も 新型コロナ85日ぶり感染

 宮崎市で県内では85日ぶりに新型コロナウイルス感染が確認された5日、同市や県はそれぞれ会見し、感染確認が続く地域への訪問などは注意するよう改めて呼び掛けた。同市内の飲食業関係者は「再び休業要請が出るのでは」と危機感をにじませた。 感染が確認されたのは同市の自営業40代男性で、6月29日~7月1日、福岡市に滞在。宮崎市は男性の濃厚接触者は妻、子どもの2人に限定されているとし、「現時点で爆発的に感染が広がる要素はない」と説明した。一方で人の往来が活発になる中で「感染リスクは常にある」と強調した。 感染確認を受け、河野知事は会見で県内の感染状況を示す独自の警報レベルを「1」に引き上げたと発表。鹿児島県と首都圏の1都4県を「感染流行地域」に指定したことも踏まえ、「県民の命を守り、医療崩壊を起こさせないよう感染防止を徹底する必要がある。県外の感染状況も見ながら情報提供、注意喚起していきたい」と述べた。 宮崎市の繁華街「ニシタチ」にも衝撃が走った。飲食店4店舗を経営する30代男性は「街全体ににぎわいが戻りつつあった。閑散とした以前のような状況に戻りたくない」。 居酒屋やバーなどが加盟する、県社交飲食業生活衛生同業組合宮崎支部の矢野和昭支部長は再び県の休業要請が出るのではと危機感を強め、「来店者の検温など、今以上に緊張感を持って営業する必要がある」と気を引き締めた。 同市の看護師30代女性は8月、福岡県への旅行を計画していたが、取りやめるという。「県外移動も可能になり、もう安心だと思っていた。県全体で気の緩みを警戒しなければならない」と語った。

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