家族の安否分からず 熊本南部豪雨、本県からも心配の声

 熊本県南部を襲った豪雨から一夜明けた5日、同県と隣接する本県自治体の住民からは、甚大な被害への驚きや、被災地に住む家族や知人を心配する声が聞かれた。 「変わり果てた光景」と驚くのは、長女一家が熊本県人吉市に住む、えびの市水流の佐々木さとみさん(69)。たまたま現地におり、無事は確認できたが、孫の保育園は被害を受けて週明けから休園に。「人吉に通って孫の面倒を見るなど娘をサポートしたい」と話した。 小林市で社会人講座を開いている「熱中こばやし」理事の吉村秀昭さん(41)は同様の活動に取り組む人吉市の知人を訪ね、ペットボトルの水やアルコール消毒液などを届けた。職場が水没した知人は気丈に振る舞っていたが、「疲れが出るこれからが心配。マスクも不足しているようで、新型コロナウイルスも気掛かりだ」。 小林市水流迫の西山繁さん(76)は、人吉市中心部の介護老人ホームに入居する90代の義母の安否が分からないまま。4日から何度も電話をかけるが、いまだにつながらない。「施設側から連絡がないのは、無事ということだと思う」。西山さんは自らに言い聞かせるように語った。

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