拉致解決へ声上げて 川崎駅で横田めぐみさん写真展 父・滋さん死去受け市内巡回へ

多くの人が足を止めた横田めぐみさんの写真展=JR川崎駅北口自由通路

 北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさん=失踪当時(13)=の写真展「めぐみちゃんと家族のメッセージ」が4、5日、JR川崎駅北口の自由通路で開かれた。川崎市主催。これまでも年間を通じて開催されてきたが、今年は市内に住む父の滋さんが6月に亡くなったことを受け、8月上旬まで市内の市民館などを巡回する形で集中的に開催される。

 会場には40点以上のめぐみさんの写真や拉致問題を巡る年表が展示された。開催に当たって、めぐみさんの母早紀江さんは「無念の思いを抱きながらこの世を去った、横田滋や他の拉致被害者家族のためにお祈りいただき、引き続き“拉致問題解決を!”の声を上げていただければ」とのメッセージを寄せた。

 市男女共同参画室によると、滋さんが亡くなってから拉致問題への関心が高まり、市への問い合わせなども増えたという。担当者は「滋さんのご遺志を受け継ぎ、より強く拉致問題解決に取り組んでいきたい」と話す。

 駅での開催ということもあり、多くの人が立ち止まり、幼い頃のめぐみさんの写真などに目を留めた。横田さん家族に向けたメッセージカードを書くコーナーも設けられ、訪れた人が「1日も早い解決を」などと書き込んでいた。カードは後日、早紀江さんの元に届けられる。

 写真展は8月12日まで、麻生、中原、高津、宮前の各市民館や武蔵溝ノ口駅、登戸駅などで開催される。

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