「世界ラジオデー2020」を世界と共に祝ったナイジェリアの放送局

携帯短波ラジオを手に 写真撮影 ムハンマドタハ・イブラヒム・マアジ CC BY 2.0.より

ラジオが世界の発展に重要な影響を与えてきたことに疑いはない。国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)はラジオの重要性とその唯一無二の価値を高く評価し、2月13日を世界ラジオデーとすると宣言した。

ユネスコはラジオの持つ力に注目を引こうとこの日を大切に温めていた。ラジオは今なお、最も幅広い視聴者に届き、最も入手しやすく携帯に便利なメディアの役割を担っている。

ナイジェリアの放送局が世界中のラジオ関係者の輪に加わり、世界の発展のためにラジオが果たしている力強い役割に対してその栄誉を称えた。

「新しいメディアが我々の業界で勢力を伸ばしているとはいえ、ラジオは今なお多くの人々にとって情報を得るのに最も手近な手段である。そしてジャーナリストにとっても、依然として最遠隔地に住む人々に声を届ける最も力強いツールだ……」とジョージ・バコ司教は世界ラジオデーのシンポジウムの開会挨拶で述べた。バコはナイジェリア連邦放送(FRCN)の前会長である

ナイジェリア、ラゴスで開かれた世界ラジオデーのシンポジウムで話すジョージ・バコ司祭 写真撮影 オモ・ヨバ 掲載許可済

一般にラジオ・ナイジェリアとして知られているFRCNはナイジェリアの主要ラジオ局で、首都ラゴスに住む多数の視聴者を3つの局で受け持っている。3つの局とは、ラジオ・ワン103.5FM、メトロ97.7FM、そして数多くの受賞に輝くボンド92.9FMである。

それぞれ局独自の視聴者と需要があり、英語、ナイジェリア・ピジン語、ハウサ語、イボ語、そしてヨルバ語で放送している。

今でもラジオはナイジェリアではニュース流布の最大の手段である。欧州ジャーナリズムセンターのメディア・ランドスケープによると、FM(frequency modulation:周波数変調)が最もよく聞かれ、AM(amplitude modulation:振幅変調)がそれに肉薄している。また、ネットラジオの人気も急上昇している。

2019年8月のナイジェリアラジオ局デイリーランキングによると、2019年現在、ボンドFMが最大の視聴者数を誇りラゴス州でトップの座を保持している。

この日を祝って、ナイジェリア中のキャスターたちがラジオ愛を示すメッセージをツイッターに投稿した。

Staff of Spider Radio (102.7) a Campus Radio of Kaduna Polytechnic, Kaduna State, Nigeria in the spirits of World Radio Day, 2020 pic.twitter.com/nPP7HDpMY6

— Auwal (@Kauwal23) February 13, 2020

ナイジェリア、カドゥナ州のカドゥナ工芸学校キャンパスラジオ、スパイダー・ラジオ(102.7)のスタッフが世界ラジオの日2020のノリでポーズ

プラトー州の情報通信局長官ダン・マンジャンは、世界中の放送関係者がその労力と財源と時間を惜しげもなくつぎ込み、市民に情報を発信し娯楽を提供し続けたと、祝辞を述べた。

Happy world radio day to all radio Stations in Plateau state, Nigeria and the world over , Radio plays an integral role in nation building, thank you for all the sacrifice, resources and time you put to keep us informed and entertained. #WorldRadioDay#HappyWorldRadioDay

— Dan Manjang (@DanManjang1) February 13, 2020

ナイジェリアのプラトー州と世界中のラジオ局の皆さん、世界ラジオデーおめでとうございます。ラジオは国づくりに不可欠な役割を果たしています。皆さんが身を粉にして働き、すべての財源と時間を惜しまず、私たちに情報を発信し、娯楽を提供してくださっていることに感謝します。#世界ラジオの日

ナイジェリアでのラジオの歩み

ナイジェリアでのラジオ放送は1933年、英国植民地政府のラジオ放送サービス(RDS)によって始まった。人々が英国放送協会(BBC)の外国向けラジオ放送を聞けるように、RDSによって指定の公共場所にスピーカーが設置された

1950年までにRDSにはナイジェリア放送局(NBS)という新しい名前が付けられた。のちにナイジェリア放送協会(NBC)になり、国内の多くの地域で放送局がオープンした。その後、NBCは1978年にナイジェリア連邦放送(FRCN)に姿を変えた。

レジット・メディアのオンラインページによると、「ナイジェリアで最初のラジオ局は1939年にイバダンで開設され、1944年にカノに2番目の局がつくられた」そうだ。同じくレジットによると、ナイジェリアの最初の民間ラジオ局、レイパワーFMが1994年に開局され、2007年までに多くの住民が世界中の国際放送を受信できるようになった。

ラジオ放送は政策決定者のチェック、情報へのアクセス手段の確立と提供、そして人々の関心を高め鼓舞するためのツールの役割を常に果たしてきた。

2019年、アフリカ・インディペンデント・テレビとレイパワーFMは、辛辣な反政府的放送とプロパガンダを理由にナイジェリア放送委員会(NBC)から閉鎖処分を受けた。また同年、ポート・ハーコートのジェイFMも反政府的放送をしたとして同様の処分を受けたと伝えられる。

ラジオ・ナイジェリアは自社のトラックに「ミレニアムに向けてのネットワーク」とペイントし、世界ラジオデー2020を祝う世界中の放送関係者の仲間入りをした。写真撮影 ムハンマダハ・イブラヒム・マアジ CC BY 2.0 による許可を得て掲載

ラジオを聴いて心をひとつに盛り上がろう

ユネスコはすべての国々が連帯して世界ラジオデーを祝ってほしいと切に願っている。その連帯行動は境界を越えて、あらゆる放送関係者と団体、メディア団体、国営および民間団体とNGOなどが参加するものだ。

第14回世界ラジオデーのテーマは「ラジオと多様性」だ。

ラジオ・ナイジェリアは「人々の士気を高め国をひとつにまとめる」という自局のモットーに沿う活動をしている。そのためにナイジェリア国民の愛国心がより高まるような、有益かつ教育的で興味深い内容を放送している。

ナイジェリア国内が民族的・政治的・文化的に緊張状態に陥り、深刻な分断に直面した時と同時にこのモットーが作られた。ナイジェリアは2019年の脆弱(ぜいじゃく)国家ランキングで世界で14番目に、アフリカで9番目に脆弱な(もろくて弱い)国とランクされた。2011年以来、北東部ナイジェリアのイスラムジハード戦士ボコ・ハラムが恐怖と分裂の風潮を作り出している。彼らは残忍な攻撃を繰り返し、何千もの死者と何百万もの難民が出る結果となった。

この記事にも注目 Nigeria: A failed state ― reality or perception?(脆弱国家ナイジェリア、その現実と認識)

ナイジャリアをもっと盛り上げ続けようと、FRCNラゴス・オペレーションの経営陣は世界ラジオデー2020を記念する一連のイベント実施のまとめ役を務めた。

まず手始めは「ラジオを聴くのが大好きな理由」を1,200語で書く中等学校生徒対象のエッセイ・コンテストだった。そしてマスコミ学科の学生たちも、持続可能な発展目標を達成するためのラジオの重要性について、5分間のドキュメンタリーを提出した。この両部門からそれぞれ優勝者が選ばれた。

エッセイの優勝者はエキティ州イゲデ・エキティにあるメイター・クリスティー・カトリック女子高校のイロリ・アユルワだ。彼女は5歳の時に初めてラジオと出会った思い出を綴った。

I think I was 5 years old when I got my first radio. … I fiddled with a few buttons and it came on. Then I was astonished to hear voices resonating from this “box” and thought there were people trapped in it. I got scared and asked my father what it was and he took his time to explain what a radio was to me…”

初めて自分のラジオをもらったのは5歳の時だったと思います。ボタンをいろいろといじっていたら音が聞こえてきました。この「箱」から響いてくる声を聞いてびっくりして、中にだれか閉じ込められているんじゃないかと思いました。私は怖くなって、これは一体何?と父に尋ねたんです。父は私にラジオのことをていねいに説明してくれました。

2月12日には、中等学校生やマスコミ学科の学生、そしてメディア業界からトップキャスターと重鎮たちが、毎日ラジオを楽しんでいる人たちと共にラゴスのレキ・コロシアムに集まった。そしてラジオの発展とその重要性についてのシンポジウムに参加した。

2月12日には、中等学校生やマスコミ学科の学生、そしてメディア業界からはトップキャスターと重鎮たちが、毎日ラジオを楽しんでいる人たちと共にラゴスのレキ・コロシアムに集まった。そしてラジオの発展とその重要性についてのシンポジウムに参加した。写真撮影 オモ・ヨオバ 掲載許可済

陽が沈むと、ベテランのキャスターたちやラゴスのオバ(王)配下の代議士たち、そしてオトゥンバ・ガニ・アダムスやヨルバランドのアーレ・オナ・カカンフォをはじめとするゲストや高官たちがレキ・コロシアムに集まり、世界ラジオデーの授賞式と晩餐会に参加した。

コーデリア・オクペイなど多くのトップ・キャスターたちが参加してこのイベントに花を添えた。功労者の中には、放送業界の発展と慈善行為への寄与に対して功労賞が贈られるものもいた。

一連の行事は視聴者参加で生放送され最高潮に達した。視聴者がそれぞれ様々な言語で「世界ラジオデーおめでとう」と電話で伝える様子が放送されたのだ。

この祝典で忘れられた人はいなかった。グローバル・ボイス・リンガチームも何人かの声がメトロ99.7FMで放送された。引退したキャスターで招待された人もいて、ニュースを読んだりコーナーの司会を務めた。

ラジオナイジェリアの世界ラジオデー2020。こんなイベントは初めてのことだが、ラジオ関係者と支持者たちは毎年このように祝われることを期待している。

校正:

Motoko Saito

原文 Adéṣínà Ọmọ Yoòbá 翻訳 Yasuhisa Miyata · · 原文を見る [en] · コメント (0)
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この記事 はGlobal Voices 日本語版から配信されています。