川辺川ダム「復活ない」 熊本県の蒲島知事 球磨川治水で

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 熊本県南豪雨による球磨川の氾濫を受け、蒲島郁夫知事は5日、報道陣の取材に応じ、球磨川支流の川辺川ダム建設計画に反対を表明した過去の対応について「反対は民意を反映した。私が知事の間は計画の復活はない。改めてダムによらない治水策を極限まで追求する」と述べ、従来の姿勢を維持する考えを示した。

 蒲島知事は2008年9月、治水目的を含んだ川辺川ダム計画に反対を表明。翌年の前原誠司国土交通相(当時)による計画中止表明につながった。国と県、流域12市町村はその後、ダムによらない球磨川治水策を協議。河道掘削や堤防かさ上げ、遊水地の設置などを組み合わせた10案からダム代替案を絞り込む協議を本格化させる予定だった。

 10案は概算事業費が2800億~1兆2千億円と膨大で工期も45~200年の見通し。蒲島知事は「多額の資金が必要で、この12年間で実現できなかったことが非常に悔やまれる」としたが、「気候変動は予測できず、ダムによらない治水策が未来永劫[えいごう]続く保証もない。次の世代が考えることもある」とも述べた。(野方信助)