原点回帰 りんご娘がリンゴ作り/コロナからの起死回生 所属プロが農業参入

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リンゴ作りの勉強に意欲を見せるりんご娘の(左から)ジョナゴールドさん、ときさん、王林さん、彩香さん。ウェブ番組をPRする軽トラックは4人でデザインした=5日、弘前市船沢地区のリンゴ園地

 コロナ禍、転んでもただでは起きない-。青森県弘前市の農業活性化アイドル「りんご娘」などが所属する芸能プロダクション・リンゴミュージック(樋川新一社長)が、本格的に農業に参入する。樋川さん自身が新規就農者となる準備を進めており、最終的にはりんご娘のメンバーたちもリンゴ栽培に携わる。準備と並行して今月からりんご娘がリンゴ栽培などを学ぶ様子を番組にしてウェブで放送、5日は同市船沢地区の園地で収録を行った。芸能活動が大きく制約される状況が続いているが、ユニークな発想で起死回生を狙っている。

 今年でグループ結成20周年を迎えるりんご娘は、4月から9月にかけて全国20カ所で記念ライブツアーを展開する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため全公演中止を決断。節目の年を飾ることができなくなったメンバーや関係者は精神的なダメージを受け、経済的にも大きな痛手を負った。

 人前に出ることすらままならない自粛の日々は「ライスボール」「アルプスおとめ」も含め、所属グループにとって手足をもがれたも同然だった。「このままでは何もできない。やはり芸能は水ものだと思いました」と樋川さん。「ライブができる日を待っているだけではだめだ」。考え抜いた末、たどりついたのは「農業活性化という原点に返り、今実際にできることをやるだけ」という結論だった。

 樋川さんはさまざまなリンゴ農家のもとに足しげく通い、市農業委員会事務局や中南地域県民局に就農について相談。来春には樋川さんがリンゴ園地を持ち農業者となるめどがつきつつある。

 掲げたテーマは「半農半漁」をもじって「半農半芸」。「もうけより何より、メンバーたちの力も借りて、農業や地方の魅力を広く伝えられたら。新規就農への関心も喚起できれば」と樋川さんは言う。

 遊休園地を活用し、農家や関係者からノウハウを学びながら高密植栽培導入で効率化を図る方針だ。

 全国ツアーが予定通り実施されていれば、5日は全20公演の折り返しとなる東京でのライブが予定されていた日。ステージでスポットライトを浴びているはずだったメンバー4人は同日、太陽の下でリンゴの実すぐりに汗を流した。

 リーダーの王林さんは「ツアーの中止が決まったときは頭の中が真っ白だったが、ようやく現実を受け止められるようになった。とことん落ち込んだから、あとははい上がるだけ」と前向きだ。「木という命と向き合うのはとても責任を感じる。難しい」と言いながら、メンバーのときさん、ジョナゴールドさん、彩香さんと一緒に真剣な表情で作業を進めていた。

 農作業の様子を収録したウェブ番組「RINGOMUSUMEの産地直送 日本最高!!」は、毎週日曜午後6時に最新の回がアップされる。