ダルビッシュの新球「スプリーム」 投手コーチも注目

カブスのトミー・ホットビー投手コーチは、野球が中断されていた過去3ヶ月間、時にはソーシャルメディアを使いながらダルビッシュ有と連絡を取り合っていたという。「彼は、我々の多くができないことや野球とは関係のないことをたくさんできるから、その取り組みを見ているだけで楽しいんだ」とホットビー。ダルビッシュの数々の取り組みのなかで、特に注目しているのが新球「スプリーム」だ。

ダルビッシュの新球「スプリーム」について、ホットビーは「ツーシームとスプリットのハイブリッド」と語っている。ダルビッシュ自身だけでなく、ホットビーも新球の出来に手応えを感じており、ホットビーによると、日本時間7月5日に行われた実戦形式の打撃練習でダルビッシュの球を受けたビクトル・カラティーニも、ダルビッシュの新球に好感触を得ていたようだ。

メジャーリーグ公式サイトのマイク・ペトリエロは昨年9月、ダルビッシュが10種類のボールを投げ分けていることを紹介。フォーシーム、カッター、スライダー、ツーシーム、カーブ、スローカーブ、スプリッター、チェンジアップの8種類にナックルカーブとハードカッターが加わって10種類となり、「スプリーム」はダルビッシュにとって11個目の球種となる。

ホットビーは、縦横自在にボールを操れる点をダルビッシュの強みとして挙げている。「もう少し打者に近いところで曲げたいとか、もう少し縦方向の変化がほしいとか、もう少し横へ大きく曲げたいとか、彼はそういうことができる投手なんだ」とホットビー。昨年からカブスの投手コーチを務めているホットビーだが、ダルビッシュの器用さに驚きを隠さない。

デービッド・ロス新監督は「昨年の後半戦のようなピッチングを見せてほしい」とダルビッシュの活躍に期待を寄せる。3月の時点では開幕投手の最有力候補に挙がっていたが、それは現在も変わっていない。夏季キャンプの3週間を順調に過ごせば、エースとして2020年シーズンの開幕を迎えることになるだろう。

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