同地区ライバルの脅威となる6人のスラッガーたち

60試合制で行われる2020年のレギュラーシーズンは、40試合が同リーグの同地区球団、20試合が他リーグの同地区球団との対戦となる予定である。つまり、シーズンの3分の2が同リーグの同地区球団との対戦となり、地区優勝を争ううえで大きなウエートを占めることになる。メジャーリーグ公式サイトのサラ・ラングスは、同リーグの同地区球団に対して好成績を残している選手として、6人のスラッガーをピックアップしている。

アメリカン・リーグ東部地区

グレイバー・トーレス(ヤンキース)
昨年オリオールズ戦18試合で13本塁打、長打率1.045を記録。同一カードで13本塁打以上を放ったのは、1961年のロジャー・マリス(対ホワイトソックス)以来のことだった。オリオールズ戦で5度の複数本塁打を記録しており、これはメジャー史上最多。オリオールズとのダブルヘッダー両試合で本塁打を放つのを2度達成したが、これは1983年のマイク・シュミット(対エクスポズ)以来。オリオールズ戦で通算長打率.876を記録しているが、これは現役選手の同一チームに対する数字としては最も高い。

アメリカン・リーグ中部地区

ジョシュ・ドナルドソン(ツインズ)
ツインズに対して通算長打率.852をマークしているが、今年はそのツインズに加入。同地区ライバルのホワイトソックスに対して通算長打率.686を記録しており、これは現役選手のなかで最高の数字である。2015年にホワイトソックスとの7試合で6本塁打、11打点を記録するなど、通算44試合で15本塁打、35打点をマーク。ホワイトソックスの本拠地ギャランティードレイト・フィールドでの通算長打率.676は、球場別では自己2番目に高い(1位はツインズの本拠地ターゲット・フィールドで.819)。

アメリカン・リーグ西部地区

マイク・トラウト(エンゼルス)
マリナーズとの通算155試合で41本塁打、107打点、長打率.641を記録。マリナーズ戦でこれ以上の本塁打を放っているのは、通算216試合で52本塁打のラファエル・パルメイロだけ。過去2年間のマリナーズ戦で長打率.891をマークし、これは同一チームに対する数字としてはメジャー最高。レンジャーズ戦とアスレチックス戦でも通算30本以上の本塁打を放っており、同地区の3球団に対して通算30本塁打以上を記録しているのは、トラウトのほかにクリス・デービス、ライアン・ブラウン、ミゲル・カブレラの3人だけ。

ナショナル・リーグ東部地区

ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)
まだメジャーで2年しかプレーしていないが、マーリンズ戦で通算16本塁打を記録。過去2年間の同一チームに対する本数としては、トーレス(対オリオールズ)と並んでメジャー最多タイの数字である。1試合複数本塁打を通算3度マークしているが、うち2回はマーリンズ戦。このうち2018年8月14日の試合は史上最年少での5試合連続本塁打の5試合目だった。また、マーリンズに対して3試合連続で本塁打を放っただけでなく、3試合連続先頭打者本塁打の快挙も達成している。

ナショナル・リーグ中部地区

エウヘニオ・スアレス(レッズ)
昨年ナ・リーグ三塁手記録となる49本塁打を放ったが、そのうちカブス戦とブリュワーズ戦で各9本塁打を記録。ただし、カブス戦は打率.378、長打率.797、ブリュワーズ戦は打率.294、長打率.735とカブスのほうが得意だった。カブス戦で9本塁打以上を放つのは、1999年に9本塁打を放ったグレッグ・ボーン以来20年ぶり。これより多いのは、1949年のラルフ・カイナー(11本)、1929年のチャック・クライン(10本)、1980年のシュミット(10本)の3人だけ。

ナショナル・リーグ西部地区

マックス・マンシー(ドジャース)
ロッキーズ戦での通算長打率.745は、同一チームに対する数字としては現役選手のなかで9位。32試合で12本の本塁打を放っている。「打者天国」のクアーズ・フィールドにも大いに助けられており、同球場での9本塁打はビジター球場では自己最多。長打率.868も球場別で自己最高の数字である。昨年はクアーズ・フィールドでの9試合で打率.333、5本塁打、14打点、出塁率.425、長打率.879、OPS1.304の好成績をマーク。今年も「打者天国」での打棒爆発が期待される。

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