王者・ナショナルズ 正三塁手に有望株・キーブームを抜擢へ

「ナショナルズは正三塁手に誰を起用するのか」という問いに対し、夏季キャンプの終了を待たずに答えが出た。夏季キャンプ2日目、ナショナルズのデーブ・マルティネス監督は「我々はカーター・キーブームが三塁を守ることになると考えている」と発言。昨年4月26日のデビュー戦で初本塁打を放った22歳の有望株を正三塁手に抜擢する方針であることを明言した。

2020年シーズンの正三塁手は誰なのかを尋ねられたマルティネスは、「現時点では」と前置きしつつも、22歳のキーブームの名前を挙げた。キーブームは「MLB Pipeline」の球団別プロスペクト・ランキングで1位に名を連ねる有望株。本職は遊撃だが、マルティネスは「彼は60試合制のシーズンで毎日プレーすることになるだろう」とレギュラー起用する方針を固めている。

アンソニー・レンドン(エンゼルス)を失ったナショナルズには、キーブームの三塁転向のほか、再契約を結んだアズドゥルバル・カブレラを正三塁手として起用する選択肢もあった。しかし、ナショナルズは34歳のカブレラを三塁に置くのではなく、チーム内最高の有望株を抜擢することを決断。スプリング・トレーニング期間中、三塁の守備にしっかり適応していたことも決断の後押しとなったようだ。

昨年AAA級で109試合に出場して打率.303、16本塁打、79打点、OPS.902の好成績をマークしたキーブームだが、メジャーでは11試合で2本塁打を放ったものの、打率.128、OPS.491に終わり、今年のオープン戦でも14試合で打率.233、OPS.695にとどまった。守備面では一定の評価を得ているだけに、レギュラーの座を維持できるかどうかは、打撃面の結果次第と言えそうだ。

なお、キーブームとの正三塁手争いに敗れたカブレラは、二塁と三塁のバックアップを務めつつ、ハウィー・ケンドリック、エリック・テームズ、カート・スズキらと指名打者での出場機会を分け合うことになりそうだ。

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