長崎県内で大雨特別警報が発表された6日、記録的豪雨を観測した大村市など各地で冠水や崖崩れなどの被害が出た。大村市では郡川や内田川など5河川が氾濫・越水した。久原2丁目の与崎交差点付近は冠水し、同市と諫早方面を結ぶ大動脈の国道34号は全面通行止めに。水かさが増して運転者が脱出したとみられ、残された車が水に漬かった。
大村市は午後4時半に市災害対策本部を設置。避難所の福重出張所では1階が一時浸水した。竹松出張所などは避難者が多く、受け入れを中断した。市内の小中学校は7日の臨時休校を決めた。午後7時現在で避難者は404人。市内の自動車販売店の男性(61)は「25年くらいここで営業しているが、こんなことは初めて」と不安げに語った。
県内唯一の1級河川、諫早市の本明川は午後4時10分、氾濫危険水位(3.7メートル)を超す3.79メートルを観測した。国土交通省長崎河川国道事務所によると、氾濫危険水位を超えたのは1982年の長崎大水害以来。決壊や越水の報告は入っておらず、人的被害もない。避難所を訪れた60代女性は「夜半になるにつれて雨がひどくなると聞いているので心配」と口にした。
長崎市多以良町では高さ約30メートル、幅約15メートルにわたって崖崩れが発生。同市西小島1丁目ではアパートの土台が高さ約5メートル、幅約6メートルにわたって崩れた。住民の女性(68)は「家に帰りたいが、もう住めないかも」。
西彼時津町から長崎市琴海方面へ向かう国道は山手から流れ落ちたり側溝からあふれたりした雨水が道路を覆った。時津署によると、同市西海町の交差点付近が冠水。迂回(うかい)路は渋滞が発生した。下校中だった県立高2年の女子生徒(16)は「川も増水している。怖い」と話した。西海署などによると、西海市内では2カ所の道路冠水、3カ所の崖崩れを確認した。
佐世保市では相浦川が一時避難判断水位に。同市鹿子前町の市道は一時通行止めとなった。東彼東彼杵町の彼杵川は午後1時20分に氾濫危険水位を超えた。
国道が水没、住民絶句 長崎県内大雨 各地で崖や路肩崩れる
- Published
- 2020/07/07 10:00 (JST)
- Updated
- 2020/08/04 09:46 (JST)
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