検査遅延により複数球団が練習中止 MLB機構が声明文発表

新型コロナウイルスの検査に関するトラブルにより日本時間7月7日、ナショナルズ、アストロズ、カージナルスの3球団が夏季キャンプの練習をキャンセルする事態となった。選手たちは1日おきに検査を受け、24~48時間以内に検査結果を通知されることになっているのだが、検査結果の報告が遅延。72時間経過しても検査結果が通知されないケースもあり、各球団は「安全が保障されない」ことを理由に練習をキャンセルしている。

2020年シーズンの日程を発表したメジャーリーグ機構だが、無事にシーズンを開幕させ、日程を消化していくためには新型コロナウイルスの検査をスムーズに実施し、選手たちを安全な環境でプレーさせることが必要となる。しかし、夏季キャンプ開始早々、検査結果が出ない、検体が予定通りに配送されない、などといったトラブルが発生している。

ナショナルズのマイク・リゾーGMは「72時間経過しても検査結果が得られない。選手やスタッフを危険な環境下に置くわけにはいかない。だから今日の練習をキャンセルした」とコメント。「メジャーリーグ機構はこの問題を迅速に解決する必要がある。そうでなければ、夏季キャンプと2020年シーズンは危険なものになってしまう」と機構側の怠慢を指摘した。

これを受け、メジャーリーグ機構は声明文を発表した。そのなかで「現時点で95%以上の検査が行われ、検査結果が全30球団で共有されている。残りも本日中に完了する予定だ」と検査が適切に行われていることを強調。トラブルが発生したのは週末に予期せぬ配送の遅延が発生したことが原因であるとし、「再発することはないと考えている」と述べた。

新型コロナウイルスに感染するリスクがあるなかで選手たちがプレーするのは、適切な検査体制によって安全が保障されていることが前提となる。もし選手たちが機構側が用意した検査体制に不安を持ち続けるようであれば、今年の出場を辞退する選手が続出するような事態も起こりかねない。機構側には選手が安心してプレーできる環境を提供することが求められる。

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