長崎県高校野球大会 出場54チームの横顔・4 鎮西学院、島原中央、長崎北、五島、平戸・猶興館、島原工

攻守両面でチームを支える鎮西学院の山口

◎鎮西学院

 昨夏は11年ぶりに決勝へ進み、海星に敗れた。1901年の創部以来、初の甲子園出場は果たせず、その雪辱を誓って新チームは始動。秋の3回戦で再び海星と対戦し、7-6でサヨナラ勝ちした。エース右腕の田中辰憲は緩急を織り交ぜて相手に的を絞らせない。昨季からセンターラインを守る主将で遊撃の山口涼太、中堅の古川太一朗が攻守の中心となる。

◎島原中央

 昨秋は1回戦で長崎総合科学大付と両校計34安打の打ち合いの末、12-13で逆転サヨナラ負けを喫した。昨夏は中堅で出場した右の上戸駿汰や安定感が出てきた左の安井匠太郎ら投手陣がストライク先行でリズムをつくり、二塁の近藤宇宙を要に取れるアウトを確実に積み重ねる。攻撃は主力の故障など不安もある中、長打力が自慢の北山羽琉らが意地を見せられるか。

◎長崎北

 3年生19人の多くは、2017年夏に海星を倒した先輩たちに憧れて入部した。昨秋は2回戦で長崎南山に2-3で逆転負け。悔しさを胸に冬の間も懸命にバットを振り込み、打撃の力強さが増してきた。射場速人、山口総大らの長打力、追い込まれてからの一人一人の粘りは大きな武器。投手陣は右横手のエース池田興を中心に打者のタイミングを外すのがうまい。

◎五島

 昨季の主力が多く残る好チーム。冬場の鍛錬などで体つきが良くなり、練習試合では私立の実力校とも互角に戦ってきた。主将の出口勝太と浦隆紋の両右腕の出来が最大のポイント。浦の弟、健史郎の配球や、遊撃の小田友彦を柱とした粘り強い守備も絶対条件になる。攻撃は出口や浦兄弟、小田に加えて、得点圏打率が高い馬場嵜翔貴らの一振りに期待がかかる。

◎平戸・猶興館

 平戸地区の2校合同チームで小学校時代から顔なじみのメンバー。コロナ禍で練習ができない時期も、連絡を取り合って状況を共有しながら、気持ちを高めてきた。右腕の椿山寛人と捕手の末永光の猶興館バッテリーが軸。直球で押す椿山は冬場のトレーニングで球威が増している。平戸の中堅の福田将平は好守でチームを支え、バッティングも粘り強い。

◎島原工

 昨秋は2、3年生計9人で3回戦進出。今春、1年生13人を迎え入れた。威力ある直球とスライダーが武器のエース右腕、坂本穣優がチーム浮沈の鍵を握る。バックを落ち着かせるのは主将で三塁の森川楽斗、中堅の北浦拓馬。攻撃はリードオフマン宮崎湧大らがつくる好機を、パワーヒッター松本達也らが生かす。まずは初戦の島原中央との同地区対決に全力を注ぐ。

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