タランティーノ、ハンス・ジマー、メタリカら追悼 <映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ氏逝去>

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ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)などの映画音楽の巨匠として知られる作曲家、エンニオ・モリコーネ氏の訃報が2020年7月6日に報じられた 。クエンティン・タランティーノ監督をはじめとする映画業界や、メタリカなどの音楽業界から追悼の声が続々と寄せられている。

クエンティン・タランティーノ監督

タランティーノ監督は『イングロリアス・バスターズ』(2009年)や『キル・ビル』(2003年)など数々の自身の作品でモリコーネ氏の楽曲を使用し、敬愛していた。モリコーネ氏はタランティーノ監督作品『ヘイトフル・エイト』(2015年)で第88回アカデミー作曲賞を受賞している。

タランティーノ監督は「私たちの王が亡くなってしまった。王に、万歳!」と追悼した。

ジョン・カーペンター監督

『ハロウィン』シリーズ(1978年〜2018年)などホラー映画の巨匠として知られるジョン・カーペンター監督は『遊星からの物体X』(1982年)でモリコーネ氏とタッグを組んでいる。
「エンニオは充実した人生を送っていた。彼はほかに類を見ないほどの、音楽の遺産を残している。計り知れない天才だった。彼のキャリアは実験音楽から始まり、セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタンへと続いていった。 彼の仕事は信じられないほど素晴らしい。語りつくせないよ。」と米Entertainment Weekly誌で語った。

そして、自身のTwitterでも「輝かしい作曲家エンニオ・モリコーネが亡くなった。友人であり協力者でもある彼の才能は計り知れないものでした。彼がいなくなるのは寂しい。」とモリコーネ氏の死を偲んだ。

エドガー・ライト監督

『ベイビー・ドライバー』(2017年)のエドガー・ライト監督は「象徴的な作曲家であるエンニオ・モリコーネ氏について、何から話したらいいんだろうか? 彼は平均的な映画を観るべき作品に変え、良い映画を芸術にし、素晴らしい映画を伝説にすることができる。私の人生には、彼の楽曲がいつもそばにあるんだ。彼が残した遺産はなんと素晴らしいものだろう。安らかに眠ってください。」とコメントを寄せた。

アントニオ・バンデラス

モリコーネ氏が音楽を手掛けたペドロ・アルモドバル監督作『アタメ』(1989年)に出演した俳優アントニオ・バンデラスは自身のTwitterを更新。「大きな悲しみとともに、映画界の巨匠に別れを告げます。彼の音楽は私たちの記憶の中で再生され続けます。安らかに眠ってください。」と追悼した。

ハンス・ジマー

『レインマン』(1988年)や『ライオン・キング』(1994年)を手がけた作曲家のハンス・ジマーはBBCのインタビューで追悼のコメントを残している。
「エンニオはアイコンであり、アイコンは永遠に消えない。彼が最近までツアーをしていたことに本当に驚きました。最後に彼を見たのは1年ほど前で、彼は元気そうだった。コンサートで指揮をしていたよ。私がモリコーネ作品で最初に見た映画は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』(1968年)だった。音楽を聴いて、あの映像を見て、『これが自分のやりたいことだ』と思ったんだ。」とモリコーネ氏の影響を強く受けていたことを明かしている。

A・R・ラフマーン

『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)で第81回アカデミー賞で作曲賞、歌曲賞、第66回ゴールデン・グローブ賞作曲賞を受賞した作曲家、A・R・ラフマーンが訃報を受けて自身のTwitterを更新。
「インターネットや仮想現実が広がる前の時代の、イタリアの美しさ、文化、余韻に満ちたロマンスを五感で感じることができるのは、エンニオ・モリコーネのような作曲家だけなのです。私たちにできることは、この巨匠の作品を讃え、学ぶことだけです!」と追悼した。

メタリカ

映画業界のみならず、音楽業界からも追悼の声が寄せられている。アメリカのスラッシュメタル・バンドのメタリカは、コンサート開始時の入場曲として、クリント・イーストウッド主演作品『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(1966年)でモリコーネ氏が手がけた名曲「The Ecstasy Of Gold」を使用している。

エンニオ・モリコーネ、安らかに眠ってください。あなたのキャリアは伝説であり、その楽曲は時代を超越していました。1983年以来、私たちの多くのショーにムードを与えてくれてありがとう。」と追悼した。

セルジオ・レオーネ監督×エンニオ・モリコーネ音楽『荒野の用心棒』はCS映画専門チャンネル ムービープラスにて2020年8月放送

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