幾つもの赤い領域があちこちで輝く花火のような渦巻銀河

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渦巻銀河「NGC 925」(Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA)

■今日の天体画像:渦巻銀河NGC 925

こちらの画像は「さんかく座」の方向およそ2000万光年先にある渦巻銀河「NGC 925」を撮影したものです。明るく輝く中心のバルジから伸びる青い星々が集まった渦巻腕には赤い領域が散りばめられたように幾つも存在しており、まるで夜空に開く大輪の花火を星々の輝きで再現したかのようにも見えます。

赤い部分はHII領域と呼ばれるもので、誕生して間もない若い恒星が放射する紫外線によって水素が電離し赤く輝いているとされる領域です。天の川銀河ではオリオン座の三ツ星の近くにある「オリオン大星雲(M42)」などが知られています。NGC 925のHII領域は中央のバルジの辺りから渦巻腕の先端に至るまで広範囲に分布していることから、銀河のあちこちで星々が活発に形成されていることがわかります。

一見すると整った渦巻銀河に見えるNGC 925ですが、画像の上側と下側の渦巻腕を見比べてみると、上側の渦巻腕は比較的はっきりとした形をしているものの、下側のほうは形状がやや不明瞭であることがわかります。こうした非対称な渦巻腕の形状は、NGC 925が過去に別の銀河との相互作用を経験した可能性を示唆しています。無数のHII領域が示すNGC 925の活発な星形成活動も、この相互作用によって引き起こされたのかもしれません。

画像はアメリカのキットピーク国立天文台で撮影され、米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)から2020年7月2日に公開されました。

Image Credit: KPNO/NOIRLab/NSF/AURA
Source: NOIRLab
文/松村武宏