鈴木仁☆映画「のぼる小寺さん」でボルダリングに挑戦!

男性ファッション誌のモデルとして人気を博しながら、ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」(2018年/TBS系)や「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(2019年/日本テレビ系)、映画「4月の君、スピカ。」「小さな恋のうた」(いずれも'19年)などで俳優としても活躍する鈴木仁。公開中の映画「のぼる小寺さん」では、工藤遥演じる小寺さんを追ってクライミング部に所属した内気な高校生・四条を演じている。そこで、本作の役作りや共演者との秘話、さらに今後についても聞いてみた。

――「のぼる小寺さん」に出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

「もちろんうれしかったです! 今回演じるのは、“陰”の要素がかなり強いネガティブなキャラ。実際にどんな役なんだろうと気になって台本を読んでみたら、めくってもめくっても全然セリフが出てこなくて、ますます全貌が気になりました(笑)。想像が膨らんで、演じるのが楽しみでしたね」

――陰のキャラとのことですが、共感する部分はありましたか?

「実は僕、四条と同じ高校生の頃は結構控えめなタイプだったんです。さすがにあそこまでじゃないですけど(笑)」

――少し怪しい雰囲気すら醸し出していましたからね。

「なので、“似ている”とか、“僕と近いな”と思うところがあるわけではないのですが、だからといって遠いわけでもないというか…。四条のような面は自分の中に元々あったとも感じるので、寄り添い方はそこまで難しくなかったです」

――共演者は工藤遥さん、伊藤健太郎さんら同世代の方が多いですね。

「今まで僕が出た作品も同世代が多かったので、そういう意味ではあまり違和感がなかったです。初共演の方ばかりでしたし、どう関わっていけるか楽しみにしていました。過去の出演作でもそうなのですが、撮影が終わるまでにはほとんどの方とお話できるようになるタイプなので、今回もいろんな方と話しました。特に、クライミング部の部員を演じた遥ちゃんたちとは、役的にも特別な関係。ボルダリングの練習の時から話したり応援し合ったりしていたので、仲が深まった実感がありました。『この前の練習の後、どうだった?』『箸が持てなかったー!』とか話していましたね(笑)。指に力が入らなくなる、“ボルダリングあるある”を語り合いました」

――鈴木さんたちは、撮影前からボルダリングの練習をしていたんですよね。

「ボルダリングの経験は遊びでやった1回だけだったので、ほぼないに等しい状態で挑戦することになりました。壁を這いつくばって登るので、当初は“握力さえあればある程度はいけるのかな”と思っていましたが、やってみると全然違いましたね。体の重心をどこに置くかで登りやすさが変わるし、ホールド(壁の突起物)にどうやって足を置くかでも変わるんです。実際、それを変えただけでさっきよりも上まで登れるようになったりして、奥深さを感じました」

――仲間がいるのも頼もしいですよね。みんなでコツを共有し合えますし。

「それに、遥ちゃんがめちゃくちゃうまくて、わりと早い段階でどんどん登れるようになったんです。きっと基礎体力があるんでしょうね。それで、“すごい!”と思うと同時に“勝ちたい!”という気持ちが湧いてきて、夢中で練習していました」

――では、近藤を演じる伊藤さんに対して“すごい!”と思ったところは?

「健太郎くんは切り替えがすごいです。カメラの前に立てばすぐに近藤になれるし、カットがかかれば健太郎くんに戻るんですよ。僕はあそこまでスパッと切り替えられないので、“すごいな”と思いながら見ていました」

――きっと、伊藤さんが持つ才能なんでしょうね。

「そうですね。あと、健太郎くんは撮影が一段落すると控室で寝ることがあったんですが、大げさでも何でもなく、2秒後には寝ているんです。“健太郎くん戻ってきたな、目を閉じたな”と思ったら、次の瞬間にはもう寝ていて(笑)。『いつもそうだよ!』って言っていましたけど、あんなに早く寝られる人は初めて見ました」

――近藤も四条も、小寺さんに不思議な魅力を感じていますが、鈴木さんご自身は小寺さんの魅力はどこにあると思いますか?

「まったく意気がらず、自分の思うまま一直線に進んでいる姿ですかね。そういう人って、男女関係なく憧れの対象になると思います。四条もきっと、小寺さんを見習って成長したいと思っていたんでしょうね」

――小寺さんが作品そのものの魅力になっていましたね。ひたむきに頑張ることの大切さを教えてくれて…。

「そうですね。なので、すごく面白い作品になっていると思います。主人公が変わらずブレることなく成長していて、それに触発されて周りも大きく変化していきます。しかも、どこにでもありそうな日常を切り取っているので身近に感じられる映画になっています。まさしく“青春”を描いた作品ですね!」

――ここからは、少し鈴木さんご自身についてもお聞きしたいです。外出自粛中はどのように過ごされていましたか。

「自粛中に佐野勇斗くんのインスタライブを見に行きました。すごいんですよ、勇斗くんの配信。泥団子とか作っていて…(笑)。たまらず『何してるの?』ってコメントしたら、『あ、仁ちゃーん!』って気付いてくれました。それから、料理にもハマりましたね。実家暮らしなので自分で作ることがあまりなかったんですけど、自粛中は時間があったので、興味はあったし、“この機会に作ってみよう”と思って挑戦したら楽しかったんです。例えば、カオマンガイとか、タコライス、餃子、カルボナーラ、和風パスタ、カレーもカレー粉から作りました。あとはおかずもいろいろ。晩ご飯の時、母が作ったものに加えて、僕が作ったものを2品くらいは出したりしていました」

――アジア系が多いですね。

「一番の理由は作りやすかったからなんですけどね(笑)。今後はもう少し時間をかけて作ってみたいです。パンとかいいですよね。あとは、餃子やシュウマイも皮から作ってみたいし、魚もさばいてみたいです!」

――せっかくなら極めたいですよね。

「そうですね。それに、僕の家が2世帯住宅で、1階に祖父と祖母が住んでいるんですけど、祖母がほぼ毎日ご飯を作っているんです。祖父も自分で魚をさばいておすしを握ってくれて、そういう姿を小さい頃から見ているので、かなり影響を受けています」

――今後配信されるFODオリジナルドラマ「30禁 それは30歳未満お断りの恋。」にもご出演されますが、今までとはまた違う役に挑戦するそうですね。

「今まではクールな役が多かったですが、今回はヒロインの志乃さん(松井玲奈)に甘える年下男子の真雪を演じています。少しですけどいつもと声色を変えて、ナチュラルな明るいキャラにしています。甘える部分と男らしい部分のバランスが楽しい役ですね」

――松井さんとの共演はいかがですか?

「とても丁寧な芝居をしてくださる方なので、最初から違和感なく合わせられました。合間には、お笑いの話をしたりしましたね。松井さんとは年齢が八つ離れていて、世代が違うと昔見ていたお笑い番組も違うんじゃないかということで、みんなで盛り上がりました。そんなに違わなかったですけどね」

――どちらの作品も楽しみにしています。モデルとしても俳優としてもご活躍されている鈴木さんの今後の目標を教えてください。

「モデルとしては自分なりのカッコいい服の見せ方を追求しつつ、一つのテーマを見る人に届けたいと思っています。役者としては、まだやったことがない家族ものに挑戦してみたいですね。これまでに出演した作品でも家族と会話をするシーンはありましたけど、家庭を舞台にした作品には出ていないので…。芝居の中で自然な家族の会話を作り出す感覚を身に付けたいです。そうしたら、また少し芝居の幅が広がる気がします」

――今は高校生を演じることが多いと思いますが、高校生以外ならどんな役をやってみたいですか?

「服を作るお仕事に興味があるので、そういったお仕事に関わる役も演じられたら良いなと思います。芸術的なセンスはないんですが…(笑)。芸術に関わりを持ってこなかったし絵も描けないので、アーティスティックな役を演じる自分はまだ想像がつかないのですが、できないからこそやってみたいです。写真は好きなので、何となく分かるんですけどね」

――最後に、今後共演してみたい役者さんはいらっしゃいますか。

「1人挙げさせていただくなら、松重豊さんです。『孤独のグルメ』('12~19年)もそうですけど、出演されている作品は自然と見てしまいますし、松重さんの芝居の空気感に憧れています。まだお会いしたことがなく一方的に見ているだけなので、お会いできた日には“実在していらっしゃるんだ!”って興奮してしまいそうです(笑)」

【番組情報】

__「のぼる小寺さん」
__全国公開中

クライミング部に所属する小寺さん(工藤)の姿に背中を押される青春応援ムービー。彼女を目で追ってしまう卓球部の近藤(伊藤)や小寺さんと同じ部の四条(鈴木)ら高校生の成長を描く。

【プレゼント】

サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年7月8日正午~7月15日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」7月17日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html

取材・文/松本まゆげ 撮影/為広麻里 ヘア&メーク/清田仁 スタイリング/田村和之

© 株式会社東京ニュース通信社