久大線また寸断 流れた橋桁、宙に浮くレール【大分県】

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濁流に流されたJR久大線の鉄橋を見詰める消防団員=7日午後1時1分、九重町右田
野上川が増水し、近くの住宅に流れ込んだ=7日午前10時46分、九重町右田

 激しい雨は濁流となって鉄道を断ち切り、家屋を押し流した。山間部は大規模な土砂崩れにも見舞われた。7日の豪雨は県内の広範に及び、中でも雨量が多かった日田市や玖珠郡は被害の大きさが際立つ。「生まれて初めて体験した恐怖だった」「これからの生活はどうなるのか」。住民は途方に暮れた。

 大きくうねる川面の上に、橋桁の断面が見える。わずかに残るレールは宙に浮いていた。

 JR久大線の豊後中村(九重町右田)ー野矢(同町野上)駅間では、野上川の増水で「第2野上川橋りょう」(全長約40メートル)が消えた。豊後中村駅周辺は川の氾濫がすさまじく、民家1棟が押し流されるなど住宅への浸水が相次いだ。

 久大線は2017年7月5日の福岡・大分豪雨でも被災。日田市渡里の鉄橋「花月川橋梁(きょうりょう)」を失い、日田(同市元町)ー光岡(同市友田)駅間が不通となった。スピード復旧したとはいえ、運行再開までに1年を要した。

 「近くの遮断機は朝早くから鳴りっ放し。また不通になるのか」。豊後中村駅近くに住む自営業百田三男(ひゃくた・みつお)さん(64)は顔をしかめた。同町内では線路下の盛り土が流された場所もあり、鉄道は大きな被害を受けているとみられる。「学生にとっては通学の要。近所のお年寄りも由布市への通院などでよく使っていた」。ライフラインの喪失に不安が募る。

 山間部は、土砂崩れも多発した。日田市中津江村栃野では午前6時ごろ、2度にわたって山肌が大きく崩れた。

 「ゴワーというすごい音だった」。目撃した地元の自営業鷹野末典さん(65)によると、土砂は斜面の下に立つ民家を直撃し、電柱をなぎ払ったという。

 市によると、けが人の情報は入っていないが、長時間、強い雨にさらされて危険な状態が続く。栃野地区に住む約50世帯100人のうち、約20人が地区中心部にある津江タクシー社屋に避難した。