【東京都知事選2020】小池氏、宇都宮氏に投票した人が多いのはどの地域?データで分析する有権者の投票傾向

今回の都知事選挙は新型コロナ対策で投票所等では感染防止策がなされたなかでのものになりました。また、現職東京都知事が新型コロナ関連に関する報道でメディアに露出する回数が多かったのも特徴でした。

そのような状況下で2020年7月5日に東京都知事選挙が執行されました。
そこで今回は東京都知事選挙について振り返ります。

まず、過去における東京都有権者の投票参加状況と、投票政党の傾向について見ていき、
今回の東京都知事選挙の投開票結果との比較をしてみたいと思います。

過去の知事選挙における投票率について市区町村別に投票率を比較します。

平成15年から平成28年までの都知事選挙の投票率を市区町村別に比較した地図が下記になります。

図1市区町村別投票率_比較

投票率を東京都内で比較をすると多摩地域から国立市あたりの投票率が高い傾向にあることがわかります。
平成26年の知事選挙では多摩地域での投票率が低いことがわかりますが、
これは東京都内が大雪で投票行動に影響したものと推測されます。

事実、気象庁のホームページでは「平成26年 2月7日から9日にかけての大雪に関する気象速報」*1が掲載されています。
気象状況は投票所に足を運ぶか否かに大きな影響を与えますので、特に多摩地域では雪により投票参加を断念した有権者が多かったのかもしれません。
*1:[https://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/bosai/disaster/20140208/20140208.html](https://www.jma-net.go.jp/tokyo/sub_index/bosai/disaster/20140208/20140208.html)

また、上図では八丈島島の島嶼部の投票率については表示されていないのですが、過去の知事選挙では島嶼部の投票率は高い傾向にありました。

図2_島しょ部得票率

また、主要政党が東京都内市区町村のどの地域で得票率が高いのかについても見ておきましょう。

ここで利用したデータは第25回参議院選挙のものですが、過去のその他の国政選挙の東京都内市区町村の政党別にみた得票率が高い地域は、この地図と似たようなものになります。

図3_政党別に得票率が高い地域

自由民主党は多摩地域、区内、
公明党も多摩地域、足立区、江戸川区等の東京東部、
日本維新の会は23区内
立憲民主党は杉並区、世田谷区から国分寺、小金井、武蔵野、
社会民主党も立憲民主党と重なる地域、
日本共産党は武蔵野市から東久留米市、板橋区から足立区、葛飾区にかけてが得票率が高い地域となっています。

地域別有権者の投票行動は大幅に変わることはあまりないので、おおよそ各地域ごとに投票する政党は決まっている印象があります。

そこで今回の東京都知事選挙の投票率について見てみましょう。
今回の知事選挙の投票率は全体で55%で前回投票率の59.73より低下しました。(https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/uploads/r02tochiji_touhyo.pdf)

全体の投票率は低下しましたが市区町村別に投票率を比較した地図をみると、今回も投票率が高い地域は、これまでとほぼ同様な地域であることがわかります。
(図1と比較をしてみてください)

図4東京都市区町村投票率_比較.001

この地図では表現されていませんが、利島村、新島村、神津島村、三宅村の4村では前回より投票率があがりました。

続いて都知事選挙の主要候補者の得票率が高かった地域について地図化したものが下記になります。

図5候補者別得票率が高い地域

当選した小池候補者は多摩地区、豊島区で得票率が高いことがわかります。
小池候補者は国政選挙に出馬されていたときも豊島区地域で得票率が高い傾向がありました。
多摩地区は自由民主党の得票率が高い地域でもあるので、これら地域と小池候補者の得票率が高い地域が重なることがわかります。

山本候補者と宇都宮候補者の得票率が高い地域は、立憲民主党、社会民主党が得票率が高い地域と重なるので、これらの地域では山本候補者と宇都宮候補者とで票が割れてしまったことが推測されます。

以上、2020年東京都知事選挙の有権者の投票傾向について駆け足で見てきました。
詳細な分析については別の機会にできればと思います。

今回は2020年都知事選挙の有権者の投票行動について見てきました。

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