「新型コロナウイルス」関連破たん状況

314件
(倒産245件、弁護士一任・準備中69件)

  •             ※企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
  •             ※原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計。
  •             ※東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

 7月8日午前11時までに判明した、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)は、2月からの累計が全国で314件(倒産245件、弁護士一任・準備中69件)に達した。
 2月2件、3月22件から、4月は84件、5月も83件と急増。6月は単月最多の103件に達した。7月は8日までに20件判明し、ペースは落ち着いてきたが、和歌山県、鳥取県、高知県を除く44都道府県に広がっている。
 なお、集計対象外の負債1,000万円未満の小・零細企業・商店の経営破たんは、累計7件が判明。水面下では、制度融資や各種の支援策などを活用せず、休業状態が続くケースもある。
 アフターコロナの動きもあるが、東京都は再び感染者が連日100人を超え、先行きはまだ流動的だ。「新しい生活様式」に順応したビジネスモデルの構築は、資金力の乏しい中小企業には容易でなく、今後、“あきらめ倒産”や廃業につながる可能性も残している。

6月が単月で最多の103件

 5月25日、緊急事態宣言が全面解除された。しかし、もともと厳しい業績に加え、新型コロナ感染拡大によるインバウンド需要消失や外出自粛、休業要請などで体力が消耗した企業は多い。
 国や自治体は、様々な支援策を打ち出し、民間金融機関もリスケ対応や貸出に積極的に動くが、感染リスクの拡大懸念は収まらず、コロナ前の状態に戻るには時間が必要だ。この間、業況が改善せずに経営破たんするケースも多い。

コロナ関連倒産

破たん件数が最多の東京 倒産比率もワースト

 都道府県別で「新型コロナ関連破たん」の発生率を算出した。
 ※ 企業数は「平成28年経済センサスー活動調査」を参照
 経営破たん比率のワーストは、東京都(75件)の0.0179%。以下、福島県(10件)が0.0170%、北海道(20件)が0.0141%、香川県(4件)が0.0129%、静岡県(15件)が0.0124%の順。
 このほか、経営破たんが10件以上の大阪府(30件)が0.0110%で9位、兵庫県(14件)が0.0096%で15位、愛知県(13件)が0.0062%で26位だった。

コロナ関連倒産2

業種別 飲食業が最多の49件

 業種別では、緊急事態宣言の発令で来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が49件で最多。
 次いで、インバウンド需要の消失や旅行、出張の自粛が影響したホテル・旅館の宿泊業が40件だった。
 この2業種が突出して、経営破たんが多い。
 このほか、イベント休止や、小・中学校の休校などの影響を受けた食品製造が23件。
 消費増税や暖冬に加え、新型コロナ感染拡大による外出自粛、入店する百貨店や商業ビル、テナント休業などの影響が大きかったアパレル小売が18件で続く。
 また、アパレル業界の苦戦を裏付けるように、アパレル卸売も17件発生した。

コロナ関連倒産3

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