異例の夏へのカウントダウン  秋の県大会準優勝の津商業高校

11日に開幕する三重県高校野球夏季大会の注目校を紹介します。

5年前、夏の甲子園に初出場し、去年秋の県大会で準優勝した津商業高校です。

夏の大会に向けて作られたお手製の日めくりカレンダー。「100日カレンダーといって夏の大会までの日数を数えたもの。全員の思いが詰まっている。最後の大会、全員が悔いのないように戦えるようなカレンダーになったと思う」とマネージャーの松坂天さん。

甲子園を目指せない異例の夏へのカウントダウン。

部活動が再開された6月1日、津商業の宮本健太郎監督はまだ心の整理がつかない選手たちに呼びかけました。

「時間の大切さを学んだ。普段当たり前であったことがいかにありがたいか気づけた。時間の大切さ、当たり前の大切さに感謝する機会にもなる。自分たちが野球を始めた頃のような気持ちで明日につなげよう」

野球ができる喜びをかみ締めた一日。選手たちは、三重県ナンバーワンという同じ目標に向かって動き始めています。

「甲子園がなくなったということは生きているうちは悔いが残ると思う。与えられた環境を自分たちがどう作るか。環境は全国一緒だと思うので、その中で自分たちがベストを尽くせるような野球をして、三重県大会や練習試合で全て勝つ気持ちで挑む」と高山晴喜主将は話します。

そんな今年の津商業の注目は、層の厚い投手陣。特に、左右2人のピッチャーが柱です。

左の大西健史投手は、キレのあるスライダーが持ち味。

秋の大会のエースで、東海大会でも活躍しました。

「秋の東海大会は、改めて野球を楽しいと思える瞬間だったし、その気持ちを持つことが一番成長につながると感じた。絶対優勝を勝ち取って笑顔で終われるようにしたい」と大西選手。

そして、この秋から急成長し、抜群のコントロールが武器の2年生、右の出口慶人投手です。

「去年の県大会、東海含めて、2年生のピッチャーは自分だけだった。2年生として、自分らしく思い切った投球をしたい」と出口選手は話しました。

受けるキャッチャーの清水選手が打線の中心です。

今年は特に、速球対策に力を入れてきた津商業。初戦の相手は去年の優勝校・津田学園。大会屈指の好カードとなりました。

宮本監督は「今まで当たり前にできると思っていたことができなくなったことからすると、試合できることに感謝。また相手がより強い相手であるということにやりがいをもってやっていけたらと思う。最終的に頂点に立っていることを狙っている」と話しました。

「今までしてきたことを全て発揮。宮本先生に教えてもらったことを勝って証明し、三重県で一番いいチームだったのは津商業やと胸張って言えるように勝って伝えたい」と高山主将は意気込みを語りました。

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