WEC:バイコレスがBMWワークスドライバーのブルーノ・シュペングラーの起用を発表

 7月7日、WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するバイコレス・レーシングは、8月15〜16日に開催されるスパ・フランコルシャン、9月17〜20日に開催されるル・マン24時間に、カナダ人ドライバーで2012年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権王者であるブルーノ・シュペングラーを起用すると発表した。

 シュペングラーは、長年参戦したDTMではメルセデスから参戦を開始し、キャリアのなかで16勝、18度のポールポジションを誇る。BMWがDTMに復帰した2012年には陣営に加わり、シュニッツァーとともにチャンピオンを獲得している。

 2018年にはBMWから突如DTMからの離脱を告げられ、驚きと無念さを隠しきれず波紋を呼んだが、2019年は心機一転、活動の場をアメリカのIMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップに移し、BMW M8 GTEで新たな挑戦をはじめていた。

 一方でシュペングラーは、BMWが参戦していた2019年のル・マンでは、自らのシートを得ることは叶わなかったものの、サルト・サーキットを訪れ、BMWのピット内で熱心に見学をしていた姿が目撃されており、本人のル・マン挑戦希望やモチベーションは誰の目にもすぐ分かったが、その希望はLMP1で叶うことになった。

 今季、ル・マン24時間への10回目の挑戦となるバイコレスだが、「この記念すべき年に、これまでも懸命に戦ってきたLMP1でいい結果を残せるように、最大限の努力で挑む。経験豊かなブルーノは、LMP1マシンをドライブしても卓越した能力を発揮することは間違いないだろう」とオペレーション責任者を務めるボリス・バームスは語る。

「ル・マンのスタートラインに立つという長年の夢がやっと実現する日がきた」とシュペングラーは喜びを語った。

「僕は耐久レースについても知っているし、ニュルブルクリンクや、アメリカでもデイトナやセブリングなど、伝統の耐久レースを戦ってきた。そしていよいよ、世界最高峰の耐久レースを戦えるんだ。僕はフランスのアルザス出身だから、ル・マンに挑みたい夢はずっともっていたんだ」

 すでにシュペングラーはエンゾCLM P1/01をニュルブルクリンクで試しており、この後ポールリカールでの2日間のテストに臨み、スパではトム・ディルマンとともに組むことになる。

2019年ル・マン24時間レースに参戦したENSO CLM P1/01・ギブソン

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