返済が遅れると住宅ローンの金利優遇が無くなるってホント? 返済を継続できない場合の解決策とは

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住宅ローンの返済が滞ったらどうなる?

住宅ローンの返済が厳しくなった場合、一番大切なのは、まずは借りた銀行に相談することです。住宅ローンは金融機関との契約なので、契約不履行の場合は借り手に大きなデメリットが生じてしまいます。

一方、銀行にとっても顧客が返済できないことは喜ばしいことではないので、返済方法の変更などの代替案を提案してくれます。

以下、返済が滞った場合の流れを確認しておきましょう。

(1)請求書での督促(延滞1回)

一般的に、銀行口座の残高不足が理由で住宅ローンの引き落としができなかった場合は、その時点で即一括返済などにはなりません。通常、金融機関から口座引落ができなかった旨を記載した請求書が届きますので、遅れた分をすぐに返済できれば特に問題は生じないでしょう。

(2)催告書での督促(延滞2・3回)

各金融機関によって催告書のタイミングは違います。この場合、書面による督促以外に電話での連絡もあります。金融機関によっては優遇金利が喪失し、高い通常金利に変更されることもあります。

多くの金融機関の場合、催告書送付のタイミングでも返済について相談をすることができますので、このフェーズまで進んでしまっている方も問い合わせてみましょう。

(3)期限の利益喪失に関する通知・代位弁済通知(延滞3~6回)

期限の利益喪失に関する通知が届いた場合は、返済期日が先であったとしても一括返済を行わなければなりません。また、多くの場合は代位弁済通知が届き、返済先が銀行から保証会社に移ります。

代位弁済通知とは、住宅ローンを契約した際に申し込みを行った保証会社が銀行に対して代わりに返済を行った、という通知のことをいいます。今後の住宅ローンの返済がなくなるわけではなく、返済先が銀行から保証会社に変わることを意味します。

(4)競売

代位弁済で保証会社に債務が移転したことにより、保証会社は返済資金を捻出するために住宅の競売を行います。

競売が行われた場合は、
__・普通に売却されるよりも安く買いたたかれてしまう
・競売が行われると家から出ていかないといけなくなる__

など、通常売却する場合と比べて不利な条件となります。

覚えておきたい2つの対策

「そのまま家に住みたい」「安く売却はしたくない」という方は多いでしょう。そこで、競売まで進んでしまう前に「任意売却」「個人民事再生」という方法があることを覚えておいてください。

任意売却

借入先の金融機関の同意を得て住宅を売却する方法です。
__・競売よりも高い値段で売れる可能性がある
・交渉によっては家賃を払うことで住み続けることができる(リースバック方式)__

といったメリットがあります。

個人民事再生

住宅などの財産を維持したまま、大幅に減額された借金を原則として3年間で分割して返済していくという手続きです(減額の程度は借金の額、保有している財産によって異なります)。

減額後の借金を完済すれば、再生計画の対象となった借金については原則として法律上、返済する義務が免除されます。

任意売却、個人民事再生については、いずれの場合も金融機関や保証会社の同意が必要です。返済が困難な状況が続きそうであれば、早い段階で選択肢として検討していることを伝えておきましょう。

特例や返済方法の変更

ここまでが延滞が生じた場合の一般的な流れですが、下記のような特例や返済方法の変更も選択肢として押さえておきましょう。

(1)経済事情や病気などで収入が減少し返済が大変になった 「返済特例」

返済特例とは返済期間の延長などを行うことです。毎月の返済額は減りますが、期間の延長により総返済額は増加しますのでご注意ください。

(2)しばらくの間、返済額を減らして返済をしたい 「中ゆとり」

一定期間、返済額を軽減することをいいます。金融機関と相談した期間内において毎月の返済額を減らすことができます。ただし、減額期間終了後の返済額および総返済額が増加します。

(3)ボーナス返済が負担になっている 「ボーナス返済の見直し」

ボーナス返済月の変更、毎月分・ボーナス返済分の返済額の内訳変更、ボーナス返済の取り止めなど、主に契約形態の変更を行います。

各金融機関によって条件が異なりますので、詳しくは借入先の金融機関にご相談ください。

まとめ

本来、住宅ローンの返済は契約どおり行うものです。ここまで述べてきた方法は、止むを得ない場合であることはいうまでもありません。

収入が減少した場合は、まず支出の見直しを行ってください。また、不動産仲介会社によっては、比較的高値で早く売ることを得意としている業者もいます。あらゆる選択肢を鑑みた上で「返済の継続が厳しい」となった際には、早い段階で金融機関に相談しましょう。

参考
住宅金融支援機構 ご返済が困難になっているお客さまへ

執筆者:遠藤功二
1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)CFP(R) MBA(経営学修士)