リニア開業延期 黒岩祐治知事「大変残念」

演壇にアクリル板が新たに設置されマスクを外して記者会見する黒岩祐治知事=県庁

 神奈川県の黒岩祐治知事は8日の定例会見で、リニア中央新幹線の開業延期が避けられない事態になっていることについて「JR東海が静岡県に求めていたヤード整備が認められず、2027年開業が事実上難しくなったと表明されたことは大変残念だ」と述べた。

 両者はリニアの南アルプストンネル建設を巡り、水資源の問題で意見が対立。JR東海は6月中の着工を27年開業の実現に向けた期限に設定していたが、静岡県が準備工事の着工を認めないとの見解を示し、開業延期が不可避となっている。

 会見で知事は「両者の協議に国が間に入って調整を進めているので、早期に事態が前進することを期待している」と強調。県内区間の用地取得事務など引き続き早期開業に向けた準備を進めるとし、「県として最大限の努力をしていきたい」と語った。

© 株式会社神奈川新聞社