ボーナスが出ない……そんな場合、住宅ローンの返済はどうなる?

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ボーナス返済を滞納するとどうなる?

滞納から1ヶ月ほど経つと、金融機関から支払いを求める書類が届きます。その後、返済方法の変更などを相談するよう連絡がきますが、放っておくと2ヶ月〜3ヶ月後には督促状、そして住宅ローンの一括返済を求める通知が届きます。滞納から早くて数ヶ月後、おおむね6ヶ月後には金融機関は住宅を競売にかける準備を始めて、融資金の回収へ動きます。

滞納状況や金融機関によってスケジュールや手続きはやや異なりますが、最悪の場合、住宅を手放さないといけないかもしれません。ボーナス返済ができない可能性が出てきたら、少しでも早く金融機関に相談しましょう。

ボーナス返済ができないときは「返済条件変更」を検討!

ボーナス返済の設定は返済完了まで変えられない、という訳ではありません。「返済条件変更」をすることで、そのときの家計状況に合わせた返済スケジュールに変えることができます。金融機関によって取り扱い方法が異なるので、詳しくは借入先の金融機関に確認をしてみてください。ここでは、主な変更方法をご紹介します。

ボーナス返済月を変更する

例えば、毎年1月と7月に設定していたボーナス返済月を、2月と8月に変更する、というものです。ボーナスの支給が先々に予定されている、家計の見直しなどにより、まとまった資金を用意できる見込みがある、という場合におすすめです。

毎月・ボーナス月返済額の内訳を変更する

ボーナス返済額を減らして、その分毎月の返済額に上乗せします。例えば、毎月5万円・ボーナス月14万円の返済を、毎月6万円・ボーナス月8万円の返済に変えます。これにより、ボーナス返済月の負担を減らせます。しばらくボーナス支給の見込みがない場合におすすめです。ただし、その分毎月の返済額が増えるので、長期的に見て無理なく返済できるかしっかり確認しましょう。

ボーナス返済をやめる

ボーナス返済をやめて、その分毎月の返済額に上乗せする方法です。先述した「毎月・ボーナス月返済額の内訳を変更する」より毎月の返済額が大きくなるため、きちんと継続して返済できるか、家計の見直しがより重要になります。

返済条件変更の手続き方法は?

金融機関の窓口で必要書類に記入して手続きをします。収入証明書などの提出や、変更手数料、保証会社手数料、印紙代の支払いが必要な場合もあります。今後の返済に無理がないか審査を受けて、無事に通れば変更後の返済方法が適用されます。

場合によっては、審査に落ちる可能性もあります。例えば、最初に住宅ローンを組んだときより収入が減少した、勤務先が変わった、借入件数が増えた、他社からの借入額が増加した、といったケースが考えられます。もし思い当たることがあれば、相談の初期段階で金融機関に伝えましょう。

返済条件変更しても返済できそうにない場合は?

新型コロナウイルス感染症などの影響により、ボーナスを含め収入全体が減少してしまった場合は、「返済期間を延長して、毎月の返済額を減らす」、「返済期間を延長して、一定期間だけ返済額を減らす」などの方法もあります。
例えば「フラット35」を提供している住宅金融支援機構は、収入が20%以上減少するなど、いくつかの条件を満たせば、最長15年間の返済期間延長が認められます。

もし返済滞納を放置すると、住宅は「競売」の対象となり、裁判所を通して強制的に売却されてしまいます。競売は、市場価格の7割前後で売却されるので残債が多く残りやすい、残債は一括返済、売却後は強制退去させられるなど、厳しい条件を課せられます。

そこで、「競売」ではなく「任意売却」する方法があります。任意売却であれば、市場価格に近い価格で売却できるので残債をより減らせる、残債は無理のない範囲で分割返済できる、売却後も住み続けられる場合がある、などのメリットがあります。ただし、手続きが遅くなればなるほど条件が不利になる可能性もあるため、早めに金融機関に相談しましょう。

いずれの場合にせよ、住宅ローンの返済でお困りの場合は、できるだけ早めに相談されることをおすすめします。

参考
一般社団法人 全日本任意売却支援協会 「住宅ローンを滞納すると? 」
住宅金融支援機構【フラット35】 「返済方法変更のメニュー」
住宅金融支援機構 「タイプ別返済方法変更メニュー Cタイプ」
一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会 「任意売却相談の全任協ブログ」
一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会 「任意売却と競売の違いを比較」
住宅金融支援機構 「今般の新型コロナウイルス感染症の影響によりご返済が困難になっているお客さまへ」

執筆者:松木優子
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。フリーライター。