九州豪雨 大村市、5避難所で定員超過 コロナで縮小対策中 近隣施設を案内

 記録的な大雨に見舞われた6日、長崎県大村市の避難所では最大5カ所で定員を超過し、来所者を受け入れられずに近隣の施設を案内する事態が生じた。市は新型コロナウイルス感染症対策のため定員を縮小しており、道路などが冠水して訪れた市民も多く、ホームページ(HP)などで案内するなど対応に追われた。
 市によると、避難所には6日午後8時に最大755人が身を寄せた。市は当初、出張所など10カ所を避難所として開設。大雨を受け、学校の体育館などを随時開放していったという。定員を超過した避難所については、HPや防災情報メールなどで近隣施設を案内した。
 竹松出張所は定員80人を19人に縮小していたが、コロナ感染が疑われる人用の部屋を開放するなどし、最終的には最大56人を受け入れたという。吉澤政治所長は「避難者に『帰れ』と言う訳にはいかない。コロナ対策も大事だが、どちらが身に迫るかを考え判断した」と振り返った。
 大雨警報の解除を受け市は8日、全28避難所を閉鎖した。新型コロナ対策と避難者の受け入れの両立について市の担当者は「市として想定が十分でない面もあったが、コロナ対策も十分に配慮する必要がある。今回の事例を教訓に、避難所のあり方なども今後検証していきたい」としている。

© 株式会社長崎新聞社