打率4割への挑戦 選球眼抜群のレッズ・ボットーに注目

異例の60試合制で行われる2020年シーズンの開幕が15日後に迫っている。メジャーリーグ公式サイトのリチャード・ジャスティスは、60試合制の2020年シーズンに関する「ワイルドな予想」として7つの項目をピックアップ。その1つとして4割打者誕生の可能性に言及し、注目すべき選手としてジョーイ・ボットー(レッズ)の名前を挙げた。

メジャー4年目の2010年にナショナル・リーグMVPを受賞するなど、メジャーを代表する強打者として輝かしいキャリアを送ってきたボットーも36歳。長打力の衰えが目立ち、昨年は自己ワーストの打率.261に終わるなど、ここ2年間は打率が3割に届かないシーズンが続いている。

しかし、そんななかでもハイレベルな選球眼は維持しており、2018年は打率.284だったにもかかわらず、108個の四球を選んで出塁率.417はリーグ最高。昨年も76四球を記録し、出塁率.357は打率を大きく上回った。

ジャスティスは「ボットーの四球を選ぶ能力が打率4割への挑戦を後押しする」と指摘する。たとえば、ボットーは2012年に60試合のスパンで打率.376(205打数77安打)を記録したことがある。この期間中、ボットーは45個の四球を選んでいたため打数が少なく、5打数分の凡打が安打に変わっていれば打率は4割に乗っていた。

打数が少なくなれば安打1本で打率を大幅に上げることができるため、打率4割を達成する可能性も高くなる、というのがジャスティスの考え方だ。ボットーのように四球を選ぶ能力が高い打者は、周りの打者と比べて打数が少なくなる。よって、打率4割を達成するために必要な安打の数も少なくなるというわけである。

今年のレッズは投打とも戦力が充実し、ワールドシリーズ制覇のダークホースに挙げられるほどの存在となっている。そのなかでボットーは高いモチベーションを保ったままプレーできるに違いない。ニック・カステヤーノスやマイク・ムスターカスなど、自分の周りに強打者が増えていることも好材料だ。今年9月に37歳となるボットーだが、そのバットには大きな注目が集まっている。

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