交際女性にトルエンかけ放火、殺害  被告の男「火つけてない」初公判で否認 神戸地裁

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姫路市で2018年2月、同居する女性に可燃性の液体「トルエン」をかけ、火を付け殺害したとして殺人・現住建造物等放火・覚せい剤取締法違反など4つの罪に問われた男(37)の裁判員裁判が9日、神戸地裁で始まった。男は「火はつけていない」などと述べ起訴状の内容を一部否認した。

起訴状によると、男は2018年2月5日午前、当時住んでいた姫路市内の2階建てアパートの部屋で同居していた交際相手の女性(当時33歳)の体や室内に可燃性の液体「トルエン」を大量にかけ、火を付けて死亡させたなどとされる。

■「嫉妬からくる激しい怒りが極限に、一気に殺意へ」検察側指摘

検察側は冒頭陳述で、男は女性の浮気を疑い「嫉妬からくる激しい怒りが極限に達し、激情にかられ一気に殺意へと高まった」と指摘する一方、弁護側は男がトルエンを部屋にまいたことは認めたものの「たまたま女性の体にかかっただけで火も付けていない」などと述べ、あくまでも女性への暴行の罪にとどまると主張し「火が出たのは、ほかの原因が考えられる」と反論した。

検察側、弁護側双方の説明によると「トルエン」は塗料などを薄める際に使うシンナーの原液で、火を5センチほど近づけただけで引火するとされ、裁判では専門家の証人尋問も予定されている。判決は27日。

神戸地裁

■「人の女に手を出しやがって」浮気を疑われた隣人男性が証言

証人尋問では事件当時男らが住む部屋の隣の部屋に居住していた男性が出廷、事件当日を振り返った。男と男性との関係は地元の先輩・後輩にあたり、男性が先輩だった。この男性は男から被害者の女性と浮気していると誤解され、電話で「人の女に手を出しやがって」などと一方的にののしられたという。電話口では女性が「何でこんなことになるの?助けて」と叫ぶ声が聞こえ、ただごとではないと感じたと話した。検察側が提出した証拠などによると、火が出たのはその数分後だったとされる。また被害者の女性と男は、2日に1回は言い争っていたとも話した。

事件当時建設作業員だった男はまた、仕事場から2トントラックを運転し、女性が逃げられないようアパートの駐車場の入り口を封鎖したり、夜中に口論となり男が包丁を手にしたため女性が隣室の男性のもとへ助けを求めてきたこともあったという。近隣住民の110番通報で何度も警察官が駆け付けていたとも証言した。

男は覚せい剤取締法違反(使用)の罪にも問われているが、男性は男のこうした言動を振り返り「これは(薬物を)やっているな」と感じたとも話した。