八工大がPCR検体採取ボックスを開発

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ボックスの中に入り、PCR検査の検体採取のイメージを再現する今院長

 八戸工業大学は、新型コロナウイルス感染疑いのある患者からPCR検査の検体を採取する医師が、感染防御のため中に入る「PCR検体採取ボックス」を開発し9日、八戸市立市民病院に寄贈した。高性能フィルター搭載の陽圧機でボックス内の気圧を高め、内部へのウイルス侵入を防ぐことができるため、医師は防護服を付けずに作業が可能という。同大は今後改良とコストダウンを図り、企業と提携して商品化を目指す。

 検体採取ボックスは、全国の医療機関や医師会などがPCR検査の際に使用している。同大は医師が安全に検査を行えるボックスを-と、機械工学科の浅川拓克准教授と工作技術センターの黒滝稔工師、同科学生を中心に5月下旬から開発に着手。土木建築工学科の高瀬慎介准教授が空調面で、生命環境科学科の鮎川恵理准教授が清潔空間評価などで協力し、約1カ月で完成させた。

 ボックスの大きさは高さ2メートル、横幅と奥行きが1メートル。材質はアルミ合金と塩化ビニールパネルで、防炎・耐久性があるシートのファスナーを開閉して出入りする。一般的なボックスにはアクリルパネルが使われるが、同大はアルコールに強く燃えにくい塩ビパネルを採用。身長の高低に関わらず楽に作業ができるよう、ゴム手袋を取り付ける穴のサイズを直径20センチとした。屋外での使用も可能でLED照明と移動用キャスターが付いている。

 同日、同大で寄贈式が行われ、坂本禎智学長から目録を受け取った今明秀院長は、ボックスに「BOXer type1(ボクサー・タイプワン)」と愛称を付け「秋冬に予想されるインフルエンザとコロナの流行期に感染症病棟前(の屋外)で使用し、大人数を迅速に検査したい」と語った。機械工学科4年の田代祐葵奈さんは「部品組み立てなどに関わったボックスが活用されることになりうれしい」と笑顔で話した。