釜石に防災教育の拠点を 神戸・舞子高環境防災科の卒業生2人「良い教訓」残したい

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釜石に移住して長期的な東北支援と防災教育に取り組む久保力也さん(左)と成尾春輝さん(提供)

 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、全国で初めて防災の専門学科が設けられた舞子高校(神戸市垂水区)。その卒業生2人が、東日本大震災で被災した岩手県釜石市を拠点に、新たな防災教育の実践と復興支援に乗り出そうとしている。このほど、移住や現地での活動に必要な資金を募るクラウドファンディング(CF)を開始。目標金額は1千万円で、「人生を賭した挑戦」への思いを発信しながら、理解と協力を求めていく。(黒川裕生)

 同高環境防災科出身の久保力也さん(26)=京都市伏見区=と成尾春輝さん(24)=神戸市垂水区。在学中から東北の被災地支援に携わり、大学でも防災研究の道に進んだ。現在、成尾さんは、県立大大学院の減災復興政策研究科に在籍。久保さんはフリーランスの立場で、防災をテーマに講演などの活動を続ける。

 東北に何度も足を運ぶうち、命を守れなかった「つらい教訓」よりも、守ることができた「良い教訓」を残したいと強く感じるようになった2人。釜石市で語り部としても活動する“同志”の菊池のどかさん(24)と相談し、3人で「復興・防災・まちづくり」にチャレンジすることを決意した。

 人の死なない防災教育プログラムの開発▽震災体験の傾聴と伝承▽復興とまちづくりへの貢献と参画-を活動の3本柱に、久保さんと成尾さんは近く釜石市へ移住する。復興や防災を切り口にしながら、「地域の仲間」として課題の解決に取り組む考えだ。農業などにも従事し、仕事を生み出し、若い世代の雇用につなげていくという。

 CFの目標金額は1千万円と高額だが、「金額の達成ではなく、理解者や応援してくれる人を少しでも増やしたい」と成尾さん。寄せられた資金は、事務所兼住居の賃貸料や事務用品購入、防災教材プログラム開発の調査費などに充てる。

 「最低でも5年以上」という長期的な取り組みを視野に、2人は「高校時代からずっと関わってきた東北支援。まだやらなければならないことがあるし、現地じゃないとできないことがある」と力を込める。

 7月末まで、CFサイト「キャンプファイヤー」内の「人の死なない防災教育を実践し、『守れた』が教訓になる社会を目指して」で募集。1口3千円からで、額に応じたリターン(特典)がある。