WEC:トヨタ、ル・マンに向け34時間テストを敢行。レベリオンやバイコレスらもポール・リカールで走行

 WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するトヨタとレベリオン、バイコレスは、8月15日にスパより再開される残りの2019-2020シーズンに向け、7月7日から9日に南仏のポール・リカールでテストを行なった。テストにはこれら3チームから1台ずつのマシンが参加している(*メイン写真は過去のもの)。

 今回はTOYOTA GAZOO Racingがこのテストのオーガナイザーとなったが、選手権のルールにのっとり、他のWECチームヘも参加がオファーされた。

 テストは火曜日の1日と、水曜午前9時〜翌木曜19時までの34時間にわたるセッションとで構成された。

 5000km以上を走破するフル耐久テストに参加したのはトヨタのみで、他のチームは1日または2日間のプログラムを実施し、何チームかは水曜の夜まで走行を続けた。

 トヨタはWECレギュラードライバー6人全員がTS050ハイブリッドをドライブし、さらに先日チームへの加入が発表された2019年F2王者のニック・デ・フリースも参加。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ドライバーたちはテスト前に身体検査を実施した。

 トヨタは8月のスパ、および9月のル・マン24時間レースで使用するローダウンフォース(ロードラッグ)仕様のボディワークを装着。レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソンも同じく、この2レースで使用するエアロパッケージで走行した。

■「楽しみにしていた」とブルーノ・セナ。バイコレスにはトラブルも

 レベリオンではフルシーズンエントリーするブルーノ・セナ、ノルマン・ナトに加え、スパとル・マンで追加参戦するマシンを駆るルイス・デレトラズ、ナタニエル・ベルトン、そしてLMP1にカムバックしたロマン・デュマもテストに参加している。

 月曜日にサーキット入りしたレベリオンは2日間のフルテストに加えて水曜深夜まで走行し、その時点までの最速ラップをマークした。

「サーキットに戻ることができてよかった」とセナは言う。

「みんなに会うのも久しぶりだ。誰もが健康だし、僕らはふたたびサーキットを走れることを本当に楽しみにしていたんだ」

 スパとル・マンに参戦するバイコレス・レーシングは先月ニュルブルクリンクでENSO CLM P1/01・ギブソンを使っていくつかのテストを行なっており、ポール・リカールでは2日間のテストプログラムを実施。トム・ディルマンと、先日加入が発表されたブルーノ・スペングラーもこれに加わっている。

 バイコレスのENSO CLMは、2019年のル・マン24時間で見られたフロントエンドに対し、アップデートを施しテストに臨んだ。

 ポール・リカールでは初日に120周、2日間に130周のテストを完了したとバイコレスの情報筋は語っており、ニュルブルクリンクよりも詳細なテストができたという。また、本来は水曜の夜にも4時間の走行を予定していたが、問題が発生したことによりそのセッションでのプログラムを実行できなかったという。

 LMP2に参戦するシグナテック・アルピーヌやクール・レーシング、LMGTEアマクラスのAFコルセやデンプシー・プロトン・レーシングなど、他のいつくかのWECチームもこのポール・リカールテストに参加している。

 また、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに参戦するデュケイン・エンジニアリングのオレカ07も参加した。WECとELMSに参戦するユナイテッド・オートスポーツは、7月10日にポール・リカールでのテストを予定している。

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