避難所、不安な夜続く 九州豪雨 大村52人が避難

3密回避のため、テープで目印が付けられた避難所=大村市コミュニティセンター

 6日から7日の記録的な大雨で崖崩れや浸水被害が相次いだ長崎県大村市では9日、大雨警報の発表などを受け市内19カ所(午後7時現在)に避難所を再び開設。県内では11日にかけ大雨となる見込みで、避難所に身を寄せた市民からは不安の声が聞かれた。
 市内の避難所には9日午後7時現在、52人が避難。幸町の市コミュニティセンターでは、新型コロナウイルス感染リスクの3密回避のため、2メートルの間隔が取れるようテープで床に目印が付けられていた。
 自宅前の崖崩れで、土砂と水が噴き上がる様子を目の当たりにしたという武部町の稲井治さん(79)は「悪天候が続くと聞き、被害が大きくなる前に避難を決めた。早く雨が上がってほしい」と不安げに語った。
 大雨の予報を受け、市教委は市立小中学校の10日の休校を決定。11、12日の中学運動部活動交歓大会も延期となった。また市は、大雨による水質悪化が懸念されるとして、今シーズンは松原海水浴場の開設を中止すると発表した。
 市社会福祉協議会は10日にボランティアセンターをプラットおおむらに開設、11日に市内在住者に限りボランティアの募集を開始する。
 一方、諫早市は9日午後1時、土砂災害の危険が高まったとして市内全域に避難勧告を出した。市内13カ所に避難所が開設され、午後3時現在、約40人が避難した。宇都町の上山荘に避難した近くの女性(76)は「先日の大雨の日と同じく、早めに避難しようと思って、近所の人とともに来た」と話した。
 市教委は10日、市立小中学校42校を休校とし、市立幼稚園2園も休園する。

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