高校生3人、ハワイへ 市民団体が平和大使派遣 原爆、真珠湾攻撃 現地生徒と議論

ハワイへ派遣される(右から)二階堂さん、山下さん、坂田さん=長崎市役所

 市民団体「高校生平和大使派遣委員会」は来年3月、長崎県内の高校生3人を米国ハワイに派遣する。「ハワイ派遣高校生平和大使」として滞在中、現地の高校生らと交流して議論を交わし、原爆や真珠湾攻撃についての理解を深める。日米の国民の間には原爆投下などに対する認識に大きな隔たりもある。8日、長崎市役所で会見した3人は「互いの国のイメージを変えていきたい」などと抱負を述べた。
 3人は、坂田梨菜子さん(17)=活水高2年=、二階堂杏さん(16)=県立長崎東高2年=、山下璃音さん(17)=県立長崎工業高2年=。「ハワイ派遣高校生平和大使」は2018年以来、2回目。3人は平和や原爆に対する意識が高く、高校生1万人署名活動に参加するなど積極的な行動が評価された。現地では高校生との交流のほか、オバマ前大統領の妹マヤ・ストロ氏との対談や、ハワイ州政府への訪問などを予定している。
 会見で、祖父と曽祖母が原爆に遭った山下さんは「ハワイでは真珠湾攻撃、日本では原爆の歴史があり、両国の交流の妨げになっている。高校生同士で、互いの国のイメージを変えていきたい」と話した。同委員会の平野伸人共同代表は「日米の高校生で学び合い、交流し合って、今後の活躍を期待している」と語った。

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