コロナによる自粛でどのような人が外部サービスを利用したのか

6月に入り、まちにも徐々に活気が戻ってきているように思います。

4月7日から約1か月半続いた緊急事態宣言は、私たちの暮らしにこれまでにない緊張感や先行きの見えない不安をもたらしました。家にいる時間が長くなったことから、仕事や育児、子どもの学習、そして家事などを両立できるのか、試行錯誤した方も多いのではないでしょうか。


子どもがいる家庭では、外部サービスが利用された

このような状況下で、在宅時間を支援するさまざまな外部サービスが注目されました(図表1)。宅配やテイクアウト、オンライン教材などのサービスに関心をもった人や実際に利用した人もいるのではないでしょうか。

図表1 外部サービス例

注:ECサイトは除外する

第一生命経済研究所では、新型コロナウイルス感染症拡大を背景に、人びとの生活や意識の変化について継続的な調査を実施しています。

今回は外部サービスの利用者のうち「感染拡大以前から利用している」、「感染拡大を機に利用をはじめた」と回答した人の合計が100名を超えた4つの外部サービス(「生活日用品、食品等の買い物代行」109名、「生活日用品、食品等の宅配」257名、「調理済み料理のテイクアウト」329名、「調理済み料理の宅配」187名)についてみていきます。

図表2は、4つの外部サービスの利用について、ひとり暮らし家庭、夫婦のみ家庭、同居子(小学生以下の子どもがいる家庭)の家庭形態別に示したものです。調査結果から、同居子家庭では、4つの外部サービスにおいて感染拡大を機に利用をはじめた割合が、他の家族形態よりも高い傾向にありました。

特に「調理済み料理のテイクアウト」は、「感染拡大を機に利用するようになった」人の割合が22.4%と他の属性に比べ高い傾向にありました。もともと利用していた(「感染拡大以前から移用している」)人の割合も他の属性より高い傾向にありましたが、一斉休校や自宅保育によって、食事の準備回数や量が増えた家庭で、テイクアウトサービスの利用が増えたことがうかがえます。

コロナウイルス感染拡大を機に、集客が難しくなった外食産業では、テイクアウトを始めた事業者が相次ぎました。また、現在地から近くでテイクアウトできるお店を知らせてくれるアプリケーションなども出てきたことから、利用しやすいサービスとして認識されていたのかもしれません。

図表2外部サービス利用状況(家族形態別)

注1:本調査は、全国の 20~69 歳の男女 1,000 名を対象にインターネットにより実施された。
注2:ひとり暮らし:215名、夫婦のみ:203名、同居子(小学生以下の子どもがいる):147名
資料:第一生命経済研究所、第2回「新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査」2020年5月実施

外出自粛、三密回避した人は、外部サービス利用したのか

緊急事態宣言後、私たちの生活は感染回避のために、いかに「人との接触を減らす」ことが出来るかが、最優先事項となりました。こうした外出自粛やいわゆる三密(密閉、密集、 密接)を避けるための方法として、外部サービスは利用されたのでしょうか。

図表3は、外出自粛や三密回避を行っている人の外部サービス利用の実態を示しています。「感染拡大以前から利用している」「感染拡大を機に利用をはじめた」人と回答した人の合計は、「調理済み料理のテイクアウト」の利用割合が高く、また先述の家族形態別と同じく、「感染拡大を機に利用するようになった」割合が高い傾向でした。

一方で、「生活日用品、食品等の宅配」については、感染拡大以前から利用している人の割合が外出自粛、三密回避した人が2割を超えていました(外出自粛:22.8%、三密回避:24.6%)。

感染拡大を予期して利用をしていたのかどうかは分かりませんが、外出自粛や三密回避を積極的に行っていた人の方が、日頃から生活日用品、食事の宅配サービスを活用し、感染拡大後も引き続き利用をしていた様子がうかがえます。

図表3外部サービス利用状況(外出自粛、三密回避した人)

注1:本調査は、全国の 20~69 歳の男女 1,000 名を対象にインターネットにより実施された。
注2:外出自粛:「必要な時以外、家から出ないようにしている」に「あてはまる」と回答した531名
三密回避:「人が密集する場所を避けている」「密閉された場所を避けている」「換気を心がけている」「人と話す時は一定の距離をとるようにしている」の全てに「あてはまる」と回答した358名
資料:第一生命経済研究所、第2回「新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査」2020年5月実施

新しい生活を形づくるために

「新しい生活様式」が公表されてから、日常生活でどのように取り入れていくのか盛んに議論がされています。生活のさまざまな場面での実践方法や事業者を対象としたガイドラインなども発表されました。

感染を回避しながらの生活に慣れるには、しばらく時間がかかるかもしれません。

しかし「ウイルスとの共存」を考えると、元の生活を目指すというよりは、過度に恐れることなく、工夫しながら新しい生活を形づくっていくことが必要になっていくでしょう。

今後は「新しい生活様式」に合わせて、さまざまなサービスが生まれることが予想されます。既存サービスも、より使いやすくなるかもしれません。

サービス内容や費用など情報収集しながら、様々な外部サービスを上手に活用し、「新しい生活様式」を前向き捉えていくことが大切です。

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