米卸売物価、6月は0.2%下落 コア物価は上昇

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[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が10日発表した6月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.2%下落し、市場予想の0.4%上昇に反してマイナスに転じた。エネルギー製品が値上がりする一方、サービスが値下がりした。物価が抑制されていることを示し、景気低迷への対策として米連邦準備理事会(FRB)が資金を市場に注入し続ける材料となる可能性がある。

5月は0.4%上昇し、前月のマイナスから持ち直していた。

6月の前年同月比は0.8%下落。市場予想は0.2%下落だった。5月も0.8%下落していた。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により需要が低迷する中でも、デフレに陥る可能性は低い。変動の激しい食品、エネルギー、貿易サービスを除いたコア指数は前月比0.3%上昇し、1月以来の大幅な伸びとなった。5月は0.1%上昇だった。6月の前年同月比は0.1%下落。5月は0.4%下落し、コア指数の統計を開始した2013年8月以来の大幅なマイナスだった。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「FRBに対するメッセージは、世界大恐慌以来の景気低迷のさなか、今のところ物価圧力は弱く、金利は少なくとも向こう数年間は非常に低い水準を維持しなければならないということだ」と述べた。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は5月に前年同月比1.0%上昇と、10年12月以降で最低の伸びだった。6月のコアPCE価格指数は今月下旬に発表される。FRBは物価目標を2%としている。

過去最多となる3300万人が失業保険手当を受ける中、物価上昇圧力は弱さが続くとみられる。企業は、新型コロナの感染拡大を抑えるために3月中旬に導入した封鎖措置を経て事業を再開したが、多くの地域で新規感染件数が増えており、先行き不透明感が漂うほか、国内需要が抑制されている。海外需要も減った。

第2・四半期国内総生産(GDP)は世界大恐慌以来の大幅な落ち込みとなったとみられる。

FHNフィナンシャルの首席エコノミスト、クリス・ロー氏は「新型コロナによって世界的に需要が急減した。究極的にはデフレを引き起こす現象だが、さまざまな供給網の混乱も生じたことから一時的にインフレ状態となっている」と述べた。「結果として物価は、過去10年間の標準よりもずっと大幅に乱高下する中、総じて下落する。この日のPPIはこの双方の現象が見られた」と語った。

6月は食品が5.2%下落。5月は6.0%上昇していた。エネルギーは7.7%上昇。5月は4.5%上昇していた。ガソリンは26.3%上昇。5月は43.9%上昇していた。モノは0.2%上昇。5月は1.6%上昇だった。

食品とエネルギーを除いたモノのコア指数は0.1%上昇。5月は横ばいだった。

サービスは0.3%下落。5月は0.2%下落していた。貿易サービスが1.8%下落したことが全体の重しとなった。貿易サービスは卸売りや小売りの業者の利幅に相当する。

機械と自動車のサービスは7.3%下落し、サービス全体の値下がり要因の80%を占めた。衣料と宝飾品、靴、服飾品関連のサービスも値下がりした。

一方、入院費は0.8%上昇。5月は0.4%上昇していた。医療サービスは0.2%上昇。5月は0.5%上昇していた。ポートフォリオ管理費は2.2%上昇した。5月は3.9%の値上がりだった。医療費とポートフォリオ管理費はコアPCE価格指数に組み入れられる。